著者
鈴木 庸子
出版者
国際基督教大学
雑誌
ICU 日本語教育研究センター紀要 = The Research Center for Japanese Language Education Annual Bulletin (ISSN:13447181)
巻号頁・発行日
no.7, pp.71-85, 1998-03-31

The level of the students enrolled in Intensive Japanese I ranges from the very beginning level to those already knowing up to about one-third of the Basic Japanese level. Moreover, the first part of the textbook used in this course contains more items to be learned than does the latter half. Therefore, until the true beginners catch up to those with prior knowledge, problems arise for both categories of student. This article proposes that we should 1) make an extra pre-lesson covering hiragana and basic daily conversation for the beginner to study before class begins, and 2) provide an exemption test which would excuse the more advanced students from the first few classes at the very basic level.
著者
鈴木 庸子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.51, pp.87-94, 1998-05-28

日本語教育のためのデータベースCASTEL/Jに収録されている新書の文章を素材として、上級の日本語学習者のための読解教材「読書支援システム「新書ライブラリー」」をコンピュータを利用して開発した。本研究ではこの読書素材力田本語教材としてどのような性格を持つか、学習項目として抽出できる言語要素は何かを明らかにするために、文章に含まれる機能表現の調査を試みた。使用頻度の高い表現33項目を抽出し、また異なった文章の間における表現の使用状況の違いを考察した。この調査の結果を別の角度から検討し、中・上級の日本語教育の学習項目を考えるうえで有用な情報を提供しうることを示した。We have developed a reading support system called "SHISHO library" for advanced Japanese language students. This system, consisting of eight sections, was created using the Computer Assisted System for Teaching and Learning Japanese (CASTEL/J). In this article we report on a survey of expressions used in the "SHINSHO library". The frequency of expressions and their usage in the eight sections are measured and discussed. The results from this study provide useful information about the learning items relevant to the intermediate and advanced Japanese education levels.
著者
飛田 良文 鈴木 庸子 ベデル ジョージ
出版者
国際基督教大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1999

1.明治・大正・昭和の約100年にわたる日本語の近代化する現象を、外来語を対照として考察した。そのため、作品数1000の外来語を採取し、約14万用例をデータベースに入力した。この用例集をもとに、時代的変化を計量的に分析し、また、語形や煮味の変化した外来語の語史を解明した。2.第一に、研究方法を検討し、外来語とは何か、定義が時代によって変っていることを明らかにした。「外来語研究の方法」である。外来語を借用語と日本人の造語した外来語とに分類し、比較した。この点が本研究の独創的な点である。3.第二に、用例の確認作業の完了した40作品約1万用例について計量的分析を行った。「明治大正昭和期における40作品の外来語」である。原語別にみると、明治期から英語からの借用語が圧倒的で、ポルトガル語とオランダ語がこれにつづく。ドイツ語・フランス語がその存在を示すのは大正期からである。また、和製洋語が出現するのは、原語により異なるが、外来語と日本語の混種語の誕生後であることを発見した。固有名詞の外来語は地名、人名が圧倒的であるが、漢字表記の地名、人名は、漢訳洋書からの借用が多いことを発見した。4.語史については、和製外来語リヤカーの誕生、語形の統一されるヒステリックとヒステリカルの語史、漢字表記からカタカナ表記へと移り変わるタバコの歴史、イメージの変化するデリケートの語史、学術用語として問題のある考古学の石器用語について考察した。5.索引には、作品別五十音順用例集と、語別年代順用例集を作成した。これは日本最初の外来語用例集である。