著者
鈴木 敬子 石川 剛
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2016年大会
巻号頁・発行日
2016-03-10

数値標高モデル(DEM)から作成した陰影起伏図は,地形の視認性に優れ,地図の背景にも適した地形表現の一種である.しかし,陰影は光源設定や標高値の強調率に依存し,微地形や複雑な地形を正確に描くことは不可能であった.本研究では,陰影起伏図において光源が与える影響と,斜面方位に応じた陰影の濃度分布に着目し,起伏の規模に関わらず総ての地形が表され,かつ,地図の背景として適した陰影起伏表現の作成を試みた.まず,地形に複数の光源を設定し,最適な光源分布を検討した.複数光源では,全ての斜面に光量と濃度が異なる陰影が与えられ,方向依存性を軽減できるものの,極めて小さな起伏の表現が難しい.そこで,新たに陰影の不足箇所の抽出と補間方法を検討した.その結果,水平方向からの適切な光量と,それらと直交する方向のうち第3,4象限における方位クラスタリング処理から濃度を動的に変化させた陰影を合成することで,従来は表現不可能であった大小の地形が明瞭に描かれることを確認した.本手法による地形の陰影表現は適度な過高感を持ち,任意の色調の段彩と合成しても違和感が少なく,背景図としても利用可能であると考えられる.
著者
平田 恵子 島村 保洋 鈴木 敬子 貞升 友紀 伊藤 弘一
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.46, no.6, pp.263-269, 2005-12-25
参考文献数
9
被引用文献数
3

食品添加物酵素処理ステビアの成分分析法を開発した.分析条件を設定するため,まずグルコアミラーゼを用いて付加糖の加水分解条件を検討したところ,反応温度および時間は55℃,3時間,グルコアミラーゼ量は反応溶液10mL中250 Uが適切な条件であった.C18カートリッジカラムによる固相抽出法で試料から多糖類などの除去を行い,さらに加水分解して得られた配糖体および遊離糖をC18カートリッジカラムで分離し,それぞれの含有量をHPLCにより測定した.本法により,3試料を分析したところ付加糖としてグルコースが検出され,その含有量は25~42% であり,未反応配糖体含有量を除いた配糖体総含有量は35.7~52.5% であった.両含有量を合計した酵素処理ステビア成分含量は77.5~80.4% で,回収率(C18カートリッジカラム処理後の試料量を100としたとき)はすべて85% 以上であった.また,糖量に係数(×0.9)を乗じさらに乾燥物換算して得られた成分含量値は,すべての試料で80.0% 以上であり,日本食品添加物協会の規格値を満たした.