著者
鈴木 邦雄
出版者
一般社団法人 日本昆虫学会
雑誌
昆蟲.ニューシリーズ (ISSN:13438794)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.133-150, 2012-07-05 (Released:2018-09-21)

A posthumous work Animal Evolution in Changing Environments with Special Reference to Abnormal Metamorphosis (1987) by a great authority on insect morphology, the late Dr. Ryuichi Matsuda (1920-1986), has been re-evaluated recently by many evolutionary biologists especially in the fields of the so-called 'evo-devo' (evolutionary developmental biology: e.g. Hall 1999; West-Eberhard 2003; Hall et al. 2004 eds.) and 'eco-evo-devo' (ecological evolutionary developmental biology: e.g. Gilbert & Epel 2009). Matsuda himself named his fundamental idea of animal evolution 'pan-environmentalism'. Based on a historical survey of Matsuda's works (a total of 92 titles including original articles, reviews, and books compiled by Suzuki 1988b), the background of his 'Pan-environmentalism' was outlined.
著者
坂本 充 鈴木 邦雄 岩熊 敏夫
出版者
低温科学第80巻編集委員会
雑誌
低温科学 (ISSN:18807593)
巻号頁・発行日
vol.80, pp.591-601, 2022-03-31

尾瀬ヶ原及びその周辺域の学術調査は第3次が終了してから年月が経過しており,その後本格的な調査が行われていない.そこで2016年12月に第4次尾瀬総合学術調査団を発足させ,検討を重ね,基礎研究に関わる事業と重点研究に関わる事業を2017年度〜2019年度に実施した.尾瀬の調査研究を実施した背景は,温暖化の進行と湿原の劣化の懸念,変化する生物とその環境に関する最新かつ詳細なデータの欠如などがある.基礎研究と重点研究の2つの部会で学術調査を実施し,多くの研究成果を上げることができた.
著者
高橋 潤二郎 渡辺 貴介 盛岡 通 鈴木 邦雄 久保 幸夫 淡路 剛久
出版者
慶応義塾大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1990

この研究の目的は、広域都市圏の湾岸域を対象に望ましい親水環境を明らかにし、その実現のための体系を構築することである。本年度は、第一年次であるため、東京湾岸域の土地利用、親水条件、住民の親水イメ-ジ、市民の親水活動・イメ-ジ選好・居住環境に対する意識構造、親水環境としての植生、行政主導型ウォ-タ-・フロント計画などの実態把握と分析を行なった。土地利用・海岸利用施設に関しては、国土庁湾岸域情報を入手して読み込み用・地図作成のソフトを作成し、空中写真・リモ-トセンシング映像・空中写真などと併せて湾岸域の総合的なマルチメディア・デ-タベ-スシステムの作成を目的として、埋立地を対象にディジタル化・デ-タベ-ス化を行なった。親水条件に関しては、市民の湾岸域へのアクセシビリティについて東京都を取り上げ、マストランゼッションと湾岸の土地利用親水性との関連を明らかにした。市民の親水イメ-ジを知るために、横浜〜富津の公立小中学校の校歌(357曲)を取り上げ、これを8イメ-ジ、12モチ-フ、4場面の計24のカテゴリ-に分け、これを数量化3類で分析し、4つに類型化するとともに、それらが時代や地域と深くかかわっていることを明らかにした。東京湾における活動・イメ-ジの居住者による選好特徴は、景観に関する内容が大きな割合を占めていて、活動・イメ-ジでは自然的な内容が望まれていることがわかった。親水環境としての植生に関しては、環境指標となる植生単位の抽出を行なった結果、3つのグル-プに分けられることが明らかになった。行政主導型の計画を取り上げ、国・自治体・企業・住民の役割について、船橋・市川・川崎を例に、その問題点を明らかにした。