- 著者
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鎌田 真人
- 雑誌
- 研究報告ゲーム情報学(GI)
- 巻号頁・発行日
- vol.2009, no.27(2009-GI-21), pp.25-32, 2009-03-02
9路盤囲碁は,囲碁の入門用に使われているだけでなく,プロ棋士同士の対局やコンピュータ囲碁大会でも行われている。今回,1968年~2009年1月に行われたプロ棋士対プロ棋士の9路盤囲碁の棋譜846局の序盤の変化を分析した。19路盤に比べると棋譜の数が非常に少なく,また持ち時間も少ないが,プロ棋士の長年の研究の成果が窺える。当初は,初手天元が多かったが,コミが5目半から6目半に変わった頃から,初手3四,4四,4五が増えてきた。ほとんど打たれなくなった手や,結論が出ているのに打たれている手も見られる。また,初手から同じ手順の棋譜が多く見られ,定石化されてきたと思われる手順もある。