- 著者
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小林 巌
岩本 正敏
柴田 千陽
鎌田 貴之
布川 博士
宮崎 正俊
- 出版者
- The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
- 雑誌
- 電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:09151923)
- 巻号頁・発行日
- vol.J81-D2, no.5, pp.954-961, 1998-05-25
肢体不自由ユーザを含んだ操作場面での利用を目的として,Table-Top型コンピュータについて検討した.Table-Topとは,複数のデバイスを用いて,複数のユーザが1台のコンピュータの操作をそれぞれが同時に行うことができるコンピュータ操作環境である.このTable-Topの実現モデルを考察し,モデルに基づきTable-Top型コンピュータのプロトタイプを試作した.このプロトタイプは,Windows95をOSとし,Table-Top用のアプリケーションを装備するコンピュータを本体としている.入力デバイスが2個のマウスであり,これらはI/O Device Network(I/O-DN)に接続されている.I/O-DNの管理や調整を行うために,プログラム可能なマイクロコントローラ(Microchip社製PIC16F84)を用いて作製されたI/O-DN ManagerがI/O-DNに接続される.コンピュータ本体とI/O-DN Managerの間はRS-232Cで接続し,通信制御によりI/O-DN Managerからデバイスの認識情報がコンピュータ本体に伝達される.簡単なアプリケーションを用いて,このプロトタイプを試用した結果,Table-Topの基礎的な機能が実現できることを確認した.考察では,このTable-Topの波及効果や課題について展望した.