著者
深見 嘉明 小林 巌生 嘉村 哲郎 加藤 文彦 大向 一輝 武田 英明 高橋 徹 上田 洋
雑誌
研究報告 デジタルドキュメント(DD)
巻号頁・発行日
vol.2011-DD-79, no.1, pp.1-8, 2011-01-14

Web of Data というコンセプトのもと,ウェブ上で計算機処理可能なデータを分散的に生成し,それを互いにリンクさせることにより,共有財としてのデータベース資源を確立するという試み,それが Linked Open Data である.その特質を活用し,これまで行政が単独で担ってきた情報収集,分析とそれを生かした政策実現,住民サービス実施を分担するという試みが始まっている.本論文では,住民コミュニティと行政の連携を通じたボトムアップ型オープンガバメントの試みについて紹介し,ウェブ標準技術が共有財の創出と受益者の拡大にどのように貢献できるかについて検討する.
著者
小林 巌雄 立石 雅昭
出版者
日本地質学会
雑誌
地質学論集 (ISSN:03858545)
巻号頁・発行日
no.37, pp.53-70, 1992-03-15
被引用文献数
8

新生代の新潟地域に分布する新第三系〜下部更新統の層序の資料を整理し, 対比を再検討した。これらの資料に加えて, 堆積相・化石相に基づき, 8つの時代の古地理図を描き, 古環境の概略を論じた。1. 前期中新世(18 Ma)の三川期:佐渡・岩船-津川地域で陥没盆地として発生した陸上の堆積盆に主に安山岩〜流紋岩の火砕岩類と砕屑岩類が堆積した。冷涼な気候であった。2. 前期/中期中新世(16-15 Ma)の津川-七谷期:著しい海進が広域に起こり, 暖流で洗われた多島海の海域が出現した。気候は温暖となり, 暖流系の各種生物群が生息した。後半に下部浅海ないし半深海へと変わった。3. 中期中新世の中頃(14-13 Ma)とその後半(11-9 Ma)の寺泊期:海が深くかつ拡大し, 温帯水域の海洋へと推移した。当時深海下にあった頸城地域に広大な海底扇状地が成長し, 佐渡〜新潟油田地域の北部では珪藻質軟泥が厚く堆積した。さらに, 玄武岩質の海底火山が佐渡地域などで噴出した。4. 後期中新世(7 Ma)の椎谷期:堆積盆の東側に当たる脊梁地域および海域全体に起きた大きな変動は, 古海洋に様ざまな変化をもたらした。地球規模の変動もこの時代に起こり, その影響もうけて海洋・陸上生物群が変化した。とくに, 北北東-南南西方向のトラフが成長し, 東側がらもたらされた粗粒堆積物で埋積された。5. 前期鮮新世(4 Ma)の西山期前半:脊梁山地側の隆起が進行したが, 一方海盆は再び拡大し, 暖流が流入する縁海としての日本海が顕在化した。海底の火山活動が活発化した地域もあった。6. 後期鮮新世/前期更新世初頭(3-1.5 Ma)の西山期後半〜灰爪期前半:東側の隆起と南側の海退が急速に進行し, 陸地が広く現れた。寒流の影響も受けはじめ。南方系の生物群とともに北方系の生物群が渡来した。海底の一部が隆起帯を形成したり, 佐渡・弥彦地域などでは陸地が出現した。7. 前期更新世(1 Ma)の灰爪期後半:新潟堆積盆地の中部・現在の日本海域を除いて, 新生代の堆積盆が陸化し, 扇状地や海岸平野が出現した。海水準変動による海進と海退が繰り返され, 暖期には南方系の海棲動物が北上した。
著者
小林 巌生
出版者
社団法人 可視化情報学会
雑誌
可視化情報学会誌 (ISSN:09164731)
巻号頁・発行日
vol.38, no.150, pp.24-27, 2018

<p>日本でも公共政策分野におけるデータ活用の重要性が叫ばれるなか、世界では「スマートシティ」に注目が集まっている。</p><p>いま、世界のスマートシティでは都市計画やマネージメントの分野にIoTによるセンサーデータやその分析、可視化技術を応用し始めている。世界で最も進んだスマートシティの一つであるバルセロナでは「都市OS」構想を掲げ、IoTプラットフォームを行政業務の効率化に使い始めているほか、シミュレーション技術を用いたアーバンプランニングの手法を取り入れている。本稿ではこれらバルセロナの事例を紹介する。</p>
著者
小林 巌生
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.458-463, 2014-04-15

文化機関の社会的な役割として,歴史文化遺産の収集,研究,保存,公開があるが,こうした役割を果たすためにディジタルアーカイブが発展してきた.近年,ウェブ技術の発展や社会的価値観の変化などから,ディジタルアーカイブのあり方にも変化が起きている.ディジタルアーカイブのオープンデータ化が進められ,芸術文化データの国際交流が進んでいる.FlickrやWikipediaなど既存ウェブサービスを活用したアウトリーチの拡大を狙った仕掛けや,市民とのコラボレーションによってアーカイブを充実させる取り組みなど,文化機関によって実践されている文化機関自身が広く社会に向けて開いて行っている現状を解説する.
著者
阿部 直之 平野 充 高田 直行 小林 巌
雑誌
旭川赤十字病院医学雑誌 (ISSN:09134417)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.39-42, 2018-03

2012年8月より4年間の当院における転落・墜落外傷178例について検討した。その結果、37例(21%)が雪下ろし作業関連の転落であった。転落外傷全体の年齢構成は60歳代が最も多く、次いで70歳代と高齢者に転落が多かった。ISSと転落の高さには相関がみられなかった。雪下ろし群と非雪下ろし群で比較すると、年齢、男女比、業務中かの比率で有意差を認め、雪下ろし群では高齢の男性が自宅での作業中に多く転落していた。また、雪下ろし群は非雪下ろし群と比べ、肋骨や腰部に骨折が多く、頭部、下肢で少ない傾向にあった。
著者
小林 巌生
出版者
サービス学会
雑誌
サービソロジー (ISSN:21885362)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.3-10, 2021-03-24 (Released:2021-04-21)
参考文献数
4
著者
川崎 健太郎 大澤 正人 大野 伯和 小林 巌 藤野 泰宏 中村 毅
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 = The journal of the Japan Surgical Association (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.69, no.10, pp.2557-2560, 2008-10-25
参考文献数
10
被引用文献数
2

症例は50代男性.食道癌で右開胸胸部食道全摘,胃管による後縦隔経路再建を施行した.手術時Treitz靱帯より20cmの空腸に経腸栄養チューブを20cm挿入し,Stamm法で腸管に固定,刺入部を腹壁に固定した.術後経過良好であったが術後14日目に左下腹部痛が出現したので16日目にチューブを抜去した.その後も腹痛が持続,22日目に腹部CTを撮影し小腸の腸重積を指摘された.経過観察としたが27日目のCTでも腸重積が認められたため手術となった.開腹すると小腸を腹壁に固定していた部分より肛門側20cmの空腸に約10cmの順行性3筒性の腸重積を認めた.癒着で解除困難であったため小腸切除を行った.腸重積発生部は経腸栄養チューブが位置していた部分であり経腸栄養チューブが誘因になったと考えられた.経腸栄養チューブによる腸重積は非常に稀な合併症であるが,注意を要すると思われた.
著者
小林 巌雄 後藤 仁敏
出版者
化石研究会
雑誌
化石研究会会誌 (ISSN:03871924)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.p42-43, 1993-06
著者
小林 巌雄
出版者
日本貝類学会
雑誌
貝類学雑誌Venus : the Japanese journal of malacology (ISSN:00423580)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.178-185, 1980-11-30

The internal shell structure of Bentharca asperula (DALL) is examined under a scanning electron microscope. Living specimens were collected at the sea bottom off Hachijo Island, Tokyo (33°03.5'N ; 140°45.3'E). The shell mainly is composed of outer and inner calcareous shell layers. The former shell layer is made of crossed lamellar structure and the latter is of complex crossed lamellar structure. The crossed lamellar structure of this species is same to the typical crossed lamellar structure of the other Arcoids. Next, there are several different types of the aggregation of crystallites in the complex crossed lamellar structure. The complex crossed lamellar structure of this species is characterized by the parallel arrangement of elongate rod-like crystallites which is inclined toward the ventral margin. Tubules penetrate outer and inner calcareous layers. The openings distribute at the region of inner shell layer on an inner shell surface. The mineral kind of crystallites of both layers is aragonitic crystal. The form of crystallites is elongate rod. The internal shell structure of Bentharca asperula, one of deep sea molluscs, is not special, but is common to one of the other species of Arcoids.
著者
小林 巌 木村 慶信 大曾根 順平 望月 宏樹 住田 臣造
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.613-617, 2013-08-31 (Released:2013-10-15)
参考文献数
9

症例は79 歳女性。転倒による大腿骨転子部骨折に対して,入院当日にインプラントを用いた骨接合術を施行。第11 病日より発熱と創部腫脹がみられ,第17 病日にメチシリン耐性黄色ブドウ球菌による骨髄炎と判明したが,インプラント抜去を行わずに治療を行う方針となりICU 入室となった。バンコマイシンに対する感受性低下(最小発育阻止濃度2μg/ml)と腎機能障害を認めたため,ダプトマイシン(6mg/kg/ 日)とリファンピシン(600mg/ 日)による治療を行った。第79 病日でダプトマイシンとリファンピシンの治療を終了後,約2 週間のリネゾリド(1,200mg/ 日)内服を継続した。長期に及ぶダプトマイシンの投与であったが,横紋筋融解症などの重篤な副作用を発症することなく安全に治療を終えた。今後,本邦でもダプトマイシン長期投与の有効性と安全性に関するデータの蓄積が必要と思われる。
著者
上田 洋 高橋 徹 加藤 文彦 松村 冬子 小林 巌生
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.27, 2013

筆者らはイラスト地図や古地図といった精度が厳密でない地図画像上に現在地を表示させたり、その地図画像を同地点同方向同縮尺で標準地図と切り替えたりすることができるスマートフォンアプリケーション「ちずぶらり」シリーズを制作している。そこでは地図ごとにPOI情報を付与していたが、今回、LODによる緯度経度情報付きの公開情報を動的に読み込む機能の実装を行った。その効果について議論する。
著者
金森 克浩 小林 巌
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.9-12, 2006

障害のある子どもたちへの教育的支援として,アシスティブ・テクノロジー(Assistive Technology:以下,ATと示す)の活用の有効性が指摘されており,養護学校の地域支援の充実のために条件整備が求められている.本研究では,都内の肢体不自由養護学校を対象としてATの普及状況に関する質問紙調査を行った.その結果,ATを扱う分掌が設置されている学校が多いものの,AT活用の充実のためにはより組織的な取り組みの必要性が示された.望ましい情報源としてWebが期待されており,これを用いたわかりやすい情報提供が有効であると推察された.
著者
高橋 啓一 小林 巌雄
出版者
地学団体研究会
雑誌
地球科學 (ISSN:03666611)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.39-46b, 1986-01-25
被引用文献数
2

Three elephant molars from the Pleistocene were found in Niigata Prefecture and reported by MATSUMOTO et al. (1968) have been re-examined. These molars were identified by MATSUMOTO et al. (1968) as Loxodonta (Palaeoloxodori) yabei, L. (P.*) tokunagai junior (=Palaeoloxodon naumanni), but morphological and stratigraphical studies have identified these molars as being from an archtipal mammoth. Specifically, this morphological study identified the Monzen specimen as Mammuthus protomammonteus. In comparison with the measurement of molars of the genus Mammuthus in Europe by MAGLIO (1973), the Monzen specimen is similar to M. armeniacus. This shows that the progression of stages in the development of genus Mammuthus is similar to Europian counterpart. Meanwhile a geological survey has revealed that the Mitama specimen occured in a SK030 bed (1.30 m. y. B. P.), which is the key bed of the most upper part of the middle Formation in the Uonuma Group. Therefore the importance of this specimen to discussion is that the meridionalis type shifted into the armeniacus type in Japan.
著者
松村 冬子 小林 巌生 嘉村 哲郎 加藤 文彦 高橋 徹 上田 洋 大向 一輝 武田 英明
雑誌
じんもんこん2011論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.8, pp.403-408, 2011-12-03

近年では,米国や英国をはじめとした世界各国で,標準化されたデータ形式であるLinked Open Data (LOD)に基づいたデータ公開が行われている.LOD はデータのオープン化,分野内でのデータの共有,そして分野を横断したデータの共有を促進するという特徴を持っている.この特徴を考慮して,国内の博物館データベースの統合を行うLODAC Museum プロジェクトにおいては博物館情報を,横浜LOD プロジェクトでは地域で行われるイベントや施設などの地域情報をLOD とし保有している.本稿では,博物館情報と地域情報という異なる分野のLOD を連携活用することにより構築した,横浜のアート情報を提供するYokohama Art Spot と呼ばれるWeb アプリケーションについて報告し,異なるLOD の連携活用によりもたらされる効果について議論した.