著者
高橋 秀行 長井 今日子 飯田 英基 登坂 雅彦 安岡 義人 古屋 信彦
出版者
日本小児耳鼻咽喉科学会
雑誌
小児耳鼻咽喉科 (ISSN:09195858)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.107-112, 2011 (Released:2012-12-28)
参考文献数
14

今回我々は,反復性髄膜炎に 3 回罹患した内耳奇形症例を経験したので報告する。症例は 3 歳女児,側頭骨 CT にて両側の内耳奇形を認め,聴力検査にて両側感音難聴を認めた。右鼓膜穿刺にて糖陽性の液体を認め耳性髄液漏と考えられたため,これを遮断する目的で試験的鼓室開放術を施行した。髄液圧をコントロールするため,手術に先立ち腰椎穿刺による髄液ドレナージを施行した。アブミ骨底板は欠損し膜性組織で閉鎖していた。その他の耳小骨に奇形は認めなかった。アブミ骨上部構造を除去すると大量の髄液噴出(gusher)を認めたため,追加の髄液ドレナージ・マンニトール点滴を行ったうえで,卵円窓へ側頭筋膜を十分に充填しフィブリン糊で補強した。術後12カ月の時点で再発を認めず,経過良好である。
著者
長井 今日子
出版者
Japan Audiological Society
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.36, no.6, pp.737-745, 1993-12-31 (Released:2010-04-30)
参考文献数
20

伝音性難聴および混合性難聴に適合する補聴器の調整条件を, 244例の臨床例から求めた。 さらに, 伝音性難聴および混合性難聴の不快レベルと快適レベルの測定を18例を対象として行った。 その結果は以下のとおりである。 1) 伝音性難聴および混合性難聴に適合した補聴器の最大出力音圧レベルは, 感音性難聴と比べ約4-8dB高かった。 2) 伝音性難聴および混合性難聴の不快レベルは, 感覚レベルで比較すると, 感音性難聴とほぼ同等の値であった。 3) 伝音性難聴および混合性難聴の快適レベルも, 感音性難聴とほぼ同等の値であった。 4) 伝音性難聴および混合性難聴に適合した補聴器の周波数レスポンスは, 約6dB/octの低周波数減衰の特性であった。 以上の結果から, 伝音性難聴および混合性難聴にたいする補聴器の器種の選択では, 高出力, 高利得の補聴器は必要なく, 十分に低周波数帯を増幅できる補聴器が良いと結論した。
著者
前田 知佳子 小寺 一興 長井 今日子 三浦 雅美 矢部 進
出版者
Japan Audiological Society
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.276-282, 1992
被引用文献数
1

CD (TY-89) の57語表と, 57Sテープについて, 校正用純音と検査語音との関係を求めた。 検査語音のVUメータ相当レベルは, 校正用純音に対して, TY-89では10.2dB小さく, 57Sテープでは2.1dB大きかった。 検査語音のVUメータ相当レベルに比べたTY-89の語音の最大振幅は13.1dB高く, 57Sテープでは5.0dB高かった。<br>ついで, 正常者8例の雑音下の明瞭度をTY-89と57Sテープで, SN比を一致させて検討した。 全体明瞭度および無声子音, 有声子音, 半母音の明瞭度は, TY-89の結果は57Sテープより良好な傾向があった。 鼻音については, TY-89の結果は57Sテープより悪い傾向があった。<br>CD (TY-89) の57語表を雑音下の明瞭度検査に用いる際には, 本研究結果を考慮すべきである。