- 著者
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長友 朋子
中村 大介
- 出版者
- 立命館大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2019-04-01
これまで共同研究を行ってきた研究協力者とともに、焼成温度分析を行い、土器や瓦から窯技術の差異を示す。また、胎土分析と考古学的分析により流通範囲を解明することで、技術拡散か器物流通かの区分を明確にする。朝鮮半島では初期窯の事例が少ないので、窯と窯焼成陶器が判明する中国資料を参考に、焼成温度から窯構造を推定したい。一方、窯構造や土器の研究は、日韓両国でそれぞれ蓄積されているものの、専業化と政体との関係については、陶邑窯や新羅の慶州など、大規模な窯群で考慮されるのみで希薄である。窯を単なる技術伝播ととらえるのではなく、政体との関連に注目し、窯技術拡散と土器生産体制の変質を解明する。