著者
井上 久美子 小林 三智子 長澤 伸江
出版者
日本健康教育学会
雑誌
日本健康教育学会誌 (ISSN:13402560)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.164-172, 2019

<p>目的:スマートフォン(以下,スマホ)の常時携帯・接続可能という特殊な使用形態は,生活行動の乱れや心身の健康問題などの誘因になる.日本ではスマホ依存の定義や依存尺度が確立しておらず,先行研究では主に使用概算時間が指標として用いられてきた.そこで,本研究では回答が簡易であるスマホ使用場面数を用い,スマホ使用状況と健康状態や生活行動に対する自己管理力の関連と,指標としての有用性を検討した.</p><p>方法:女子大学生を対象とする横断研究として,24時間軸に沿って抽出した8つの場面から,スマホを使用する場面を複数回答する質問を含む生活調査を実施した.場面数と,身体的愁訴や生活行動および食に関する自己評価との関連を検討した.統計解析は,順序尺度はクラスカル・ウォリス検定,名義尺度はχ<sup>2</sup>検定後に残差分析を用いた.</p><p>結果:有効回答は1,260名(84.9%)であった.多使用群(6場面以上)は,食事,授業,アルバイトなどの場面を複数選択していた.少使用群(0~2場面)と中使用群(3~5場面)に比べ,多使用群では有意に身体的愁訴数(<i>P</i><0.001)と朝食欠食者数(<i>P</i>=0.001)が多く,食に関する自己評価が低かった.</p><p>結論:スマホ使用場面数を指標として用いることは,スマホの使用状況が生活行動や健康状態に及ぼす影響を検討するために有用である.本研究は,スマホ多使用者において,朝食欠食行動と身体的愁訴が増大するリスクがあることを示唆している.</p>
著者
鈴木 洋子 星野 純子 堀 容子 長澤 伸江 前川 厚子 近藤 高明 榊原 久孝 岡本 和士
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.168-177, 2009 (Released:2011-05-26)
参考文献数
22

We investigated the relationship between the caregiver's meal and their fatigue by an analysis with a semi-quantitative food frequency questionnaire completed by the main caregiver. The 90 caregivers were 25 men and 65 women aged 20–80 years. They took care of patients at home who required more than level 3 care or who suffered from cognitive dysfunction. Adjusted for sex and age, neither the intake of grain nor of fish and meat, which were the main food groups in respective grain meals and fish and meat meals, was significantly correlated with the caregiver's perception of fatigue. On the other hand, the correlation between caregiver's fatigue and the intake of bean and seaweed food groups was significant (p < 0.05) or non-significant (p < 0.1). Elucidation of the most appropriate type of food for the principal meal will be necessary to minimize the perception of fatigue by the caregiver.