著者
山西 博幸 木塚 綾 大峯 貴裕 高致晟 長濱 祐美
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.71, no.7, pp.III_221-III_228, 2015 (Released:2016-06-01)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

大きな干満を有する有明海に面した六角川水系では,粘着性を有する微細粒子からなるガタ土堆積及びヨシを主体とした植生管理に苦慮している.これらは河道断面の狭小化や流水能の低下を引き起こし,常に河川管理者の課題となっている.また,近年,河川由来の浮遊ゴミとしてのヨシ流出も問題化している. 本研究は,六角川水系牛津川の感潮区間にヨシ植生管理のための貯水トレンチを考案・設置し,長期にわたる調査を通して,その効果を明らかにした.その結果,植生管理としてのトレンチの有効性を示すとともに,貯水トレンチの水位を0.3m以上維持することでヨシ発芽抑制が可能であること,遮蔽板の地上部突起により高濃度の浮泥流入が抑制されること,および貯留水の排出が河川本川に与える影響はほとんどないことなどを示した.
著者
藤林 恵 Woo-Seok Shin 長濱 祐美 相川 良雄 西村 修
出版者
日本水処理生物学会
雑誌
日本水処理生物学会誌 (ISSN:09106758)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.141-144, 2012 (Released:2018-03-10)
参考文献数
14

土壌に添加した易分解性有機物が分解される際に、土壌に元から含まれる有機物の分解が促進される現象をプライミング効果と呼ぶ。本研究では淡水産巻貝マルタニシが這う際に残す粘液がプライミング効果を引きこすか実験を行った。スクロースを寒天で固めたものと、水田から採集された底泥を有機物源として用いて、両有機物源の表面にマルタニシを這わせ粘液を塗布したものと粘液のないものを準備し、それぞれの有機物分解量をクーロメーターで評価した。その結果、両サンプルにおいて粘液を含む系で酸素消費量が多く、有機物の分解量が多くなることが示された。マルタニシの這う際に残す粘液はプライミング効果を引き起こすことが明らかとなった。