著者
藤野 吉世 的場 輝佳 長谷川 喜代三
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.193-197, 1991-08-20

1.大豆もやしを0〜30分沸騰加熱し,加熱後HPLCによりn-ヘキサナール量を測定した。胚軸部,子葉部ともに1分加熱で生の95%程度減少した。n-ヘキサナール量はリポキシゲナーゼ活性の挙動と一致した。このことから大豆もやしの青臭さはもやしの組織中にもともと存在するものよりも,磨砕によりもやし中の酵素が基質と反応して新たに生じたものが大きく寄与することが明らかになった。2.各沸騰加熱後,レオメータにより硬さを測定したところ胚軸部で加熱1分がら10分まで漸次柔らかくなり,それ以後はほぼ一定の硬さであった。子葉部では変化量が小さく硬いことを示していた。3.各沸騰加熱後の大豆もやしの青臭さおよびテクスチャーの官能検査を行なったところ,もやし独特のテクスチャーを失わず新鮮味として青臭さを残すという点から言えば,沸騰加熱3分から5分程度が好ましいと考える。