著者
安井 健 横田 一彦 長野 宏一朗 芳賀 信彦
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.1-5, 2013 (Released:2013-04-11)
参考文献数
10
被引用文献数
7 1

〔目的〕特定機能病院において退院支援は重要であり,1大学病院における理学療法士の退院調整への関与状況を調査した.〔対象と方法〕対象病院の理学療法部門および退院支援専門部署が介入した患者の,3ヶ月間での転帰と両部門の重複介入の状況,理学療法士による在宅調整の実施状況を,整形外科とそれ以外の依頼科に二分して比較した.〔結果〕理学療法部門と退院支援専門部署が重複介入している患者で転院率が有意に高かった.整形外科以外の患者では,整形外科の患者に比して在宅調整への介入率が有意に高かった.〔結語〕特定機能病院では,整形外科以外の分野で理学療法士の在宅調整への積極的な関与が求められることが示唆された.
著者
長野 宏一朗
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.105, no.10, pp.2048-2054, 2016-10-10 (Released:2017-10-10)
参考文献数
7

・2025年,日本は超高齢社会を迎え,医療から介護への転換,病院完結型から地域完結型への転換が図られる.「地域包括ケアシステム」,「地域医療構想(ビジョン)」では機能分化と同時に医療連携の推進が重要である.ソーシャルワーカーは重要な役割を担うことから,人材の確保と教育,研修システムの構築が必要である.・退院支援は超高齢社会において重要性が高まり,施設間移動時における退院医療の意図的な取り組みが望まれる.・病院内の支援業務である退院支援・紹介受診・外来逆紹介・外来療養支援は相互に関連し,病院運営に欠かせない重要な役割を有している.・医療情報の共有にICTは有益なツールとなる.医療と介護の情報共有には必要な情報に差があることから障壁となっており,その対策が必要である.・国際医療連携では,言葉の壁や医療費,感染対策への対応が重要である.