著者
岡本 萌 門廻 充侍 高橋 智幸 日向 博文
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.I_356-I_360, 2014 (Released:2014-11-12)
参考文献数
10

Two oceanographic Radars targeting tsunamis had been installed in Wakayama Prefecture in Japan. To study observation capabilities of the radars on far field and near field tsunamis, numerical experiments were carried out. After starting the operation of the radars, nine earthquakes occurred in the observation area, however, they were too small to be observed by the radars. Parameter study on near field tsunamis showed the radars can observe earthquake of Mw 7 and very shallow Mw 6. As a far field tsunami, the 2012 Haida Gweii Earthquake Tsunami arrived at Japan, however, the radars could not detect it because of very small velocity. Parameter study on far field tsunamis showed the main energy of tsunamis off Canada propagates northward, and Oshika Peninsula is suitable to observe the tsunamis.
著者
鎌田 紘一 門廻 充侍 Anawat SUPPASRI 今村 文彦
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.77, no.2, pp.I_1075-I_1080, 2021 (Released:2021-11-04)
参考文献数
19

2011年3月11日に発生した東日本大震災により我が国は甚大な被害を受け,これまで様々な被害実態と低減の先行研究が行われてきた.津波災害時の新たな検討事項として,寒冷下における災害時の低体温症が議論されている.本研究では,同災害における低体温症の被害実態を検討するため,震災データを用いて宮城県の郵便番号地区を対象に,遺体発見場所に基づいた低体温症を検討し,以下の結果を得た.犠牲者の位置情報から,避難先の屋内で低体温症を発症した可能性が示された.低体温症犠牲者が確認された地区の浸水状況から,津波曝露で身体が濡れたことによる低体温症を発症した可能性が示された.新しい低体温症リスク想定として,津波で身体が濡れた人が避難先の屋内で低体温症を発症するケースを提示し,避難先における低体温症対策の重要性を示した.
著者
門廻 充侍 高橋 智幸
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発) (ISSN:21854688)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.I_545-I_550, 2015
被引用文献数
1

2011 年東北地方太平洋沖地震津波(以下,東北津波)により我が国は甚大な被害を受けた.想定が過小評価であったことを踏まえ,新たに大すべり域および超大すべり域を考慮した断層モデルが様々発表されているが,位置や形状に関する標準的な考え方は定まっていない.門廻・高橋<sup>1)</sup>は大すべり域および超大すべり域の不確かさを多数津波シナリオに導入する汎用的なモデルを提案しているが,破壊開始点や複数の大すべり域および超大すべり域,地震規模の不確かさが考慮されていない.そこで本研究では,これらを考慮した新たなモデルを提案した.そして,南海トラフの巨大地震津波を例として,具体的なシナリオの設定手順を示した.また,多数津波シナリオの防災への適用例として,湾内での津波増幅や津波警報解除に関係する津波波源に起因する卓越周期を検討した.