- 著者
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関 朋宏
- 出版者
- 日本化学会
- 雑誌
- 化学と工業
- 巻号頁・発行日
- vol.68, no.3, pp.254-255, 2015-03
一部の有機結晶は,温度変化や紫外光の照射により結晶内部の分子配列が変化した際に,「ジャンプ」することがある。この現象は,一般に「Salient効果」と呼ばれ,各種エネルギーを瞬発的な動きに変換するアクチュエータへの応用に期待が持たれている。ごく最近までは,Salient効果を示す分子の報告は散発的であり,それらも現象論的な報告がほとんどを占めていた。このような状況下,2013年ごろからNaumovらの研究グループを中心に精力的な研究が展開されるようになった。その結果,結晶がジャンプする際に結晶内で起こる典型的な分子の配列変化およびそのメカニズムが明らかになってきた。本稿では,Salient効果に関する最近の研究動向を概論する。