著者
関 隆晴 釜谷 聡 森口 秀樹 生田 享介 石川 聡子 岡崎 純子
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要. V, 教科教育 (ISSN:03893480)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.195-202, 2005-09-30

教育大学としての社会貢献活動の一つとして,本学では2002年度より柏原市の小学校に布ける森林体験学習を支援してきた。この取組は1993年以来,柏原市と大阪府中部農と緑の総合事務所が柏原市内の小学校を対象に行なってきた森林体験学習を,小学校への総合的な学習の時間導入を契機に,大阪教育大学への協力要請に基づいて開始したものである。大阪府においては大阪府新農林水産業振興ビジョンにおける「大阪の彩を創ろう」の一環として,中部農と緑の総合事務所が柏原市で取り組む「教育連携タイプ」の地域の森づくり活動である。本学においては,新たな時代に求められる実践的な教員の資質能力を持った学生の育成を目指す活動事例ともなっている。いくつかの機関が連携して協働事業を展開する場合,各機関の目指す目標が一致するとは限らない。それぞれが異なる目標を持って関わる協働事業の実践事例として,柏原市高尾山創造の森をフィールドとした森林体験学習のこれまでの活動を整理・分析することにより,各機関がそれぞれの明確な目標を持って協働事業に取り組むことの重要性を指摘する。