著者
高橋 昇太 阿原 一志
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2021論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.46-48, 2021-11-06

トレーディングカードゲーム (TCG) には,手札枚数や個々のカードの攻撃力など様々なパラメータが存在する.一般にこれらの値は勝敗に大きく関わるとされているが,科学的実証はほとんど報告されていない.そこで本研究では,パラメータ変更による勝率の変化についてサンプリング手法を用いた調査を試みた.本論文では特に,初期手札の枚数差を意図的に生じさせ,どのように勝率が変化するかをこの手法を用いて調査した.その結果,初期手札枚数が多いプレイヤーは勝率が高くなる傾向を数値化できることが分かった.
著者
山田 豊大 阿原 一志
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2019論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.122-125, 2019-11-01

不完全情報ゲームの 1 種であるトレーディングカードゲーム(TCG)は,デッキ(ゲームに使用するカードセット)を各プレイヤーが一定のルール化で自由に作成できるなど,囲碁や将棋,その他ボードゲームにはないゲーム要素が特徴である.したがって、強い,または人間らしいエージェントの作成等の研究は人間の意思決定過程の解明等に有意義であると考えられる.本稿では,『エージェントの個性に合わせたデッキを構築することが可能である』という仮説の実証のため,単純な TCG のプラットフォームをオリジナルに実装した.その上で遺伝的アルゴリズムによって個性のあるエージェント作成し,異なる個性のデッキを扱わせた際の挙動について観察した.さらに,そのエージ ェントの盤面評価をさらに良いものにするためにニューラルネットワークを用いたエージェントについても考察した.
著者
小島 定吉 山下 靖 阿原 一志 和田 昌昭 高沢 光彦
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

本研究は,トポロジーにおける実験数学の研究形態のプロトタイプを提案することを主眼として,この1年間企画調査を行った.当初の予定通り,夏にイギリスを訪問し,Experimental Mathematics誌の初代編集長であったD.Epstein教授,および実験数学を代表する書物Indra's Pearlsの著者のであるC.Series教授,D.Wright教授とトポロジーにおける実験数学の現状について意見交換し,米国および英国の情報を収集した.その結果,実験数学の裾野が拡がる過程では,実装するアルゴリズムに話を絞るのが数学上の問題と計算上の問題を同じ土俵で議論するのに有効であり,さらに協調的な実験数学の研究につながる例が多かったことを知った.そこで12月に予定していた研究集会「トポロジーとコンピュータ」は,このことを念頭においてプログラムを組み東工大で開催した.とくに,多項式解法プログラムの作成者と基本群の表現の研究者の共同研究の発表では,当初は違う問題を解く目的で設計されたアルゴリズムがこの場合に妥当であるかどうかを,実験成果だけからでなくより実証的に示せないかなどの,数学と計算の双方で新たな課題が出るという討論の展開があった.確かにアルゴリズムは,論証を重んじる数学と技術を重視する計算を結びつけるスポットであり,それを主役に置くことにが実験数学の研究およびその発表形態のプロトタイプになり得ることが確認できた.今後はこの企画調査の成果を,サマースクール形式でのプログラミング技術講習会,およびアルゴリズム指向の新しい研究集会の企画につなげ,平成17年度に実行に移す予定である.
著者
山田 豊大 阿原 一志
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2018論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.128-132, 2018-11-09

不完全情報ゲームの1種であるトレーディングカードゲーム (TCG) は,デッキ(ゲームに使用するカードセット)をプレイヤーが選択できるなど,囲碁や将棋,その他ボードゲームにはないゲーム要素が特徴であり,強い,又は人間らしいエージェントの作成等の研究には意義があると考えられる.本稿は,単純化されたTCGで,デッキ作成,またエージェントの構築に関する知見を得ることを目標とし,その第一段階としてランダムに与えられたデッキに対してニューラルネットワークを用いた強化学習の有効性について考察した.
著者
伊藤 滉貴 阿原 一志
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2017論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.88-95, 2017-11-03

本研究は第一著者が考案したHICHAIN(以下本ゲーム)という二人完全情報ゲームの提案,実装と,そのAI開発に関する研究である.本ゲームはアルファベットのカードを使ったゲームで,サイズに制限のない2次元の盤にカードの向きを指定して着手することで実質的に3次元の盤を実現している.また1ターンあたり平均約1000手と多く,探索空間は10162になる.このような盤を構成するため「相対参照アルゴリズム」とルールの実装に必要なアルゴリズムを考案し,本ゲームのAIの実装に向けて探索アルゴリズムや評価方法を考察した.