著者
宮原 悠太 敷地 恭子 古谷 裕美 阿座上 匠 原田 美紀 水野 秀一 中村 準二
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.331-336, 2014-05-25 (Released:2014-07-10)
参考文献数
13
被引用文献数
1

MRSAのバンコマイシン(VCM)MIC測定結果が2 μg/mlの場合,臨床においてVCM治療の失敗する可能性があることが知られている.VCM MIC測定結果は測定方法によって異なることが知られており,マイクロスキャンPos Combo 3.1Jパネル(シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス社)を用いた場合,プロンプト法と基準濁度法の菌液調整方法によって測定結果が異なると報告されている.本研究ではプロンプト法と基準濁度法のVCM感受性測定結果の感度の違いを検討することを目的とした.当院で検出されたS. aureus 91株を対象として,CLSI推奨微量液体希釈法に準拠するドライプレート‘栄研’(栄研化学)の測定結果を基準とし,両法のVCM MIC測定結果を比較した.結果,ドライプレート法を基準とした一致率はプロンプト法が40.7%に対し,基準濁度法は81.3%であった.プロンプト法は基準濁度法よりも高値になる傾向が見られ,VCM MICは基準濁度法を用いて測定したほうが良かった.