著者
横本 拓也 荒井 崇 小坂 孝之 岡島 和希 山上 朋彦 阿部 克也 榊 和彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPM, 電子部品・材料 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.265, pp.61-64, 2012-10-19

コールドスプレー法により作製したCu/Alターゲットを用いた反応性スパッタリング法によりCuAlO_2薄膜の作製を試みた。コールドスプレー法により作製したターゲットは合金ではなく複合金属状態であった。ターゲットのCu組成を大きくしていくと、膜中のCu組成も増加し、Al組成は減少した。また、酸素流量を増加させることで、ターゲットのCu成分のスパッタリングレートが減少し、相対的にAlの組成比が増加することがわかった。ターゲット組成Cu:Al=28:72、酸素流量3sccmの成膜条件において、ストイキオメトリーに近い膜が得られた。また、この膜のXRD測定を行ったところアモルファスライクな膜であることがわかった。そこで、結晶化を図るためにアニール処理を施した。しかし、CuOに起因するピークのみしか得られずCuAlO_2に起因するピークは得られなかった。
著者
横本 拓也 前田 洋輔 宮澤 匠 山上 朋彦 阿部 克也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPM, 電子部品・材料 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.264, pp.1-4, 2011-10-19

複合ターゲットを用いた反応性スパッタリング法を用いてCuAlO_2薄膜の作製と構造評価を行った。本研究での複合ターゲットはAl円板上に三角形のCu板を載せただけという簡易な構造をしている。Alのターゲット面積比率(Al/(Al+Cu))を大きくしていくと膜中のAlとCuの比を制御できることがわかり、また酸素流量を増加させることでCuターゲットのスパッタレートが減少し、相対的にAl元素の組成比が増加することがわかった。Alの面積比率95%、酸素流量3sccmの時、ストイキオメトリーに近い膜を得ることができた。また、この膜のXRD測定を行ったところアモルファスライクな膜であることがわかった。
著者
阿部 克也 横本 拓也 前田 洋輔 宮澤 匠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPM, 電子部品・材料 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.176, pp.51-54, 2011-08-03

Cuターゲット上にAl板を配置した複合ターゲットを用いたRFマグネトロンスパッタ法によって、p型透明酸化物半導体として期待されるCuAlO_2薄膜の作製を試みた。Alターゲット面積比Al/(Cu+Al)を変化させ成膜を行った結果、面積比を70%とAlリッチにすることでストイキオメトリに近い膜組成が得られることが分かった。しかしながらXRD測定の結果から、as-depositionではアモルファスライクな薄膜であることが明らかとなった。作製した膜に800℃以上のアニールを施した結果、配向性のあるCuAlO_2膜を形成することに成功した。また、Taucプロットにより見積もった光学的バンドギャップは、CuAlO_2の報告値である3.5eVに近い3.6eVであり、アニール後の膜構造がデラフォサイト構造のCuAlO_2であることを確認した。
著者
阿部 克也 古川 和弥 小野 擴邦
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.423-430, 2010 (Released:2011-09-27)
参考文献数
20
被引用文献数
1 1

クラゲ由来混合タンパク質を用いた気生微細藻類による壁面緑化の基礎的研究を行った。まず,本学八王子キャンパス内において乾燥したコンクリート壁面,樹皮( スギ製棒杭),石像,スチール製看板塗装面などの表面から気生微細藻類の緑色コロニーを採集した結果,緑藻綱に属するElliptochloris reniformis(E. reniformis)を単離することができた。また,東京湾の夢の島付近から採取したミズクラゲからコラーゲンやムチンなどを含むタンパク質を抽出することができた。E. reniformis は,ミズクラゲ由来混合タンパク質(ムチンなど)を有機窒素源として取り込むことで増殖することが分かった。さらに,そのタンパク質が藻細胞による壁面緑化の初期段階において栄養の供給源の一つになったものと考えられる。したがって,クラゲの有効利用方法および抽出されたタンパク質が気生微細藻類による壁面緑化の助長材料として初期段階において利用可能であること,気生微細藻類の持つ基物着生能力に着目した壁面緑化が可能であることが分かった。