著者
阿部 陽一郎
出版者
慶應義塾大学
雑誌
産学が連携した研究開発成果の展開 研究成果展開事業 研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP) 探索タイプ
巻号頁・発行日
2013 (Released:2016-04-26)

視神経脊髄炎(NMO)と多発性硬化症の鑑別診断における抗アクアポリン(AQP4)4抗体(NMO-IgG)の検出は重要であることから、血中NMO-IgGを高感度かつ特異的に検出するELISAシステムの開発を試みた。本検出システム開発においては、(1) 正しい立体構造を持ったAQP4を抗原とすることでELISA法による検出感度・特異性の向上を目指すとともに、(2)ヒト血清中に存在する多様なIgGにより生じる高いバックグラウンドシグナルを除去する方法について検討を加えた。正しい立体構造を有したAQP4を抗原とすることにより特異性の高いシステムが構築できる潜在力は有していると考えられるが、バックグラウンドシグナルの軽減は予想外に困難であり、検出感度については十分目的を達成したとはいいがたい。今後は更にS/N比のよい系へと改良を加えるとともに、必要があれば幾つかの検出方法を組み合わせることにより、より信頼性の高い系の確立をめざす。
著者
光島 徹 永谷 京平 有馬 信之 横田 敏弘 南原 好和 井熊 仁 津田 純郎 大橋 茂樹 横内 敬二 阿部 陽介 野村 朋子 抱井 昌夫 吉田 美代子 浅野 幸宏 小久保 武
出版者
JAPAN SOCIETY OF NINGEN DOCK
雑誌
健康医学 (ISSN:09140328)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.23-27, 1989

4種類の免疫学的便潜血テストを,全大腸内視鏡所見を至適基準として評価した。一泊人間ドック受診者1,800名を対象として検討した結果,発見大腸癌6例に対する感度及び特異度はそれぞれ,イムディアヘムSPO.33,0.98,0Cヘモディア0.17,O.98,モノヘムO.33,0.99,チェックメイトヘモO.50,0.97であった。
著者
阿部 陽介 光島 徹 永谷 京平 井熊 仁 南原 好和
出版者
The Japanese Society of Gastroenterology
雑誌
日本消化器病學會雜誌 = The Japanese journal of gastro-enterology (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.92, no.5, pp.836-845, 1995-05-05
被引用文献数
20 26

case-control studyの手法を用いて胃癌死亡減少に対する胃癌集団検診(胃集検)の効果の疫学的評価および胃集検の効率化の検討を行い,重点的に受診すべき対象年齢と適正な受診間隔の設定を行なった.対象は基本集団を千葉県安房11市町村の地域住民(人口約16万人)とし,caseを胃癌死亡者男527,女293例,controlは性,年齢±3年,住居地区をマッチさせた一般住民男1552,女861例である.これを胃集検受診者と未受診者に分類し,受診者の胃癌死亡の比較危険度(RR)は未受診者を1.0とすると,男0.417,女0.480に低下した.性年齢別では男40~74歳,女50~69歳,受診間隔では前回受診から最長3年間はRRの有意の低下が認められた.