著者
戸嶋 巌樹 青木 茂明 平原 達也
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.244-254, 2006-03-01
被引用文献数
15

頭部形状を再現したダミーヘッドを静粛かつ滑らかに頭部運動に追従動作する音響テレプレゼンスロボット,テレヘッド弐号機を構築した。ダミーヘッドと実頭との形状の差は最大5.7%で,頭部伝達関数(HRTF)の振幅スペクトル差は4.6dBであった。テレヘッドは頭部運動に120msの遅れで安定して追従した。頭部運動追従時のライン混入雑音レベルは1〜4kHzの帯域で24dB SPL以下となった。音像定位実験の結果,使用者の頭部運動を再現すれば,他人のダミーヘッドを用いても,水平面音像定位精度が向上することを確認した。しかし,正中面音像定位においては,頭部運動を再現する効果は必ずしも認められなかった。
著者
並木 育夫 目黒 義隆 青木 茂明 入江 一成 野村 知義 斉藤 一重
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B-I, 通信I-情報通信システム・理論 (ISSN:09151877)
巻号頁・発行日
vol.80, no.6, pp.338-347, 1997-06-25
参考文献数
9
被引用文献数
21

NTTでは, 21世紀のサービスビジョンVI&P (Visual Intelligent and Personal communication service : 新高度情報通信サービス) を実現するため, 広範囲にわたるNTTの技術を結集して, ネットワークとアプリケーションの総合的な機能確認と技術評価を行うVI&P総合実験を研究所で展開している. 高臨場感マルチメディア通信会議システムは, VI&P総合実験の一環として開発したものであり, まるで同じ部屋にいて対話しているような高い臨場感を実現することがねらいである. 本システムでは, お互いの距離を意識することなく, 3地点間の自然で円滑な対話が可能な会議環境を実現する. このために, 110インチの2連超高精細大画面による等身大の自然な人物映像表示, 発話者の位置までわかる音声, 高品質なHDTV映像伝送, および一体感をかもし出す臨場感の高い会議環境の4要素をインテグレートした. この結果, 遠隔地にいる複数の人物が等身大で, あたかも同じテーブルにいるかのような高い臨場感の会議システムを実現することができた. 本システムによって, 人物の高精細かつ等身大表示, 映像と音像の一致, そして一体感のある会議環境が可能となり, 21世紀に向けた「場」の雰囲気の共有を尊重した新しいコンセプトの通信会議を提案した.