著者
齋藤 君枝 青木 萩子 藤原 直士 後藤 雅博 渡辺 洋子 岩佐 有華
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

応急仮設住宅生活経験のある高齢被災者の身体機能とストレスを定量的に中長期間評価し,応急仮設住宅入居からコミュニティにおける再建後5年までの生活現象を民族看護学的手法により検討した.再建に伴い女性の身体変化が見られ,被災後の経過と季節の影響を受けると考えられた.再建後ストレスの長期的な変化は認められなかった.被災高齢者の生活適応には,地域の文化や行動様式の維持が重要であり,応急仮設住宅生活から長期的な体力保持と健康管理,自立支援,文化ケアが求められる.
著者
稲垣 千文 青木 萩子 鈴木 力
出版者
一般社団法人 日本がん看護学会
雑誌
日本がん看護学会誌 (ISSN:09146423)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.51-60, 2015-12-25 (Released:2016-03-31)
参考文献数
18
被引用文献数
2

要 旨 研究の目的は,前立腺全摘除術を受けた既婚男性の治療に伴う気持ちの変化を明らかにすることである.Modified Grounded Theory Approach(M―GTA)に沿い,研究対象者8 名よりデータ収集し分析した.結果,彼らは診断より【どうすればいいか分からない】と衝撃を受けるが,病気の特徴を知ることなどにより,【自分の病気はたいしたことない】安堵の気持ちに至り,【じっくり治療法を選びたい】【前立腺全摘除術を受けたい】へ変化した.治療選択では,【男ゆえに尿漏れは避けたい】と【性機能は諦めたくない】の気持ちが影響し【他の治療法を考えたい】に至った.【性機能は諦めたくない】は【性機能障害は仕方がない】へ変化し,【自分だけじゃない】気持ちとともに,【前立腺全摘除術を受けたい】へ気持ちが変化する際に影響を与えた.そして,術前の【男ゆえに尿漏れは避けたい】は,術後には【尿漏れをなんとかしたい】から,【尿漏れは苦にならない】へ変化し,妻に援助を求める気持ちも含まれていた.対照的に,妻と話し合うことを避けたいとする【性機能障害はあえて触れない】気持ちは持続した.また,術前に【性機能は諦めたくない】【性機能障害は仕方がない】【性機能障害はこだわらない】の気持ちをもち,術前の【性機能は諦めたくない】と【性機能障害は仕方がない】は術後【失った性機能は惜しい】へ変化した.明らかになった気持ちの変化より,彼らへの病気の特徴の理解を促進する援助と尿漏れを理解し対策がたてられる援助が,看護への示唆となった.
著者
齋藤 君枝 青木 萩子 藤原 直士 富山 智香子 岩佐 有華
出版者
千葉科学大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

東日本大震災後、応急仮設住宅居住に居住する高齢被災者に対し、睡眠障害とその関連要因を検討した。睡眠の悪化は体調、受診状況が有意に関連していた。また、抑うつの有無と睡眠の質、睡眠困難、体重の減少が関連していた。生活環境では居室、風呂、トイレ、買い物の不便が睡眠に影響していた。避難に伴う心身の不調や疾患、生活環境が睡眠の悪化に影響を及ぼすと考えられた。包括的睡眠ケアには、早期からの睡眠障害のスクリーニング、情報収集の継続、ハイリスク者に対する定期的なアウトリーチ、多職種による連携介入が必要である。