- 著者
-
青柳 聡
- 出版者
- Japanese Society of Otorhinolaryngology-Head and neck surgery
- 雑誌
- 日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
- 巻号頁・発行日
- vol.98, no.4, pp.627-641,755, 1995-04-20 (Released:2010-10-22)
- 参考文献数
- 41
- 被引用文献数
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ヒト仮声帯の組織学的形態を年齢変化および男女差を中心に観察した. 対象は病理解剖された20~79歳までの男女各27例の喉頭で, 各標本の声帯全長を8等分し仮声帯上皮を観察した後, 再構築し仮声帯の上皮の扁平上皮化生 (以下, 化生) の範囲を立体的に評価し組織地図に表し, 喫煙との関連についても検討した. また声帯膜様部中央で仮声帯上皮下組織の観察を行った.1) 化生出現度は中年層がピークだが, 化生範囲には年齢変化がなかった. 喫煙群で後方から前方への化生範囲の進展がみられた.2) 腺組織は加齢により減少した.3) 膠原線維は加齢に伴い減少の傾向で, 弾性線維は加齢により増加傾向であった.