著者
清水 洋治 須永 遼司 宇佐 英幸 市川 和奈 小川 大輔 畠 昌史 松村 将司 竹井 仁
出版者
日本保健科学学会
雑誌
日本保健科学学会誌 (ISSN:18800211)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.200-209, 2016 (Released:2018-09-26)
参考文献数
18

本研究の目的は,条件の異なるスクワット動作遂行中における下肢関節角度の関係と下肢関節間の運動比率の存在,筋活動量の特性を明らかにすることとした。対象は,健常成人男性8 名とした。運動課題は,足圧中心の3 つの異なる条件(1:中間位,2:前方位,3:後方位)での両脚スクワット動作とした。結果,3 条件とも股関節角度に対する膝・足関節角度の関係は,直線回帰式で示せた。股関節角度を基準とした膝・足関節角度の運動比率(膝/股比,足/股比)は,3 条件とも一定に推移したがその値は条件間で異なり,条件1・2 ではそれぞれ1.1,0.4,条件3 では0.9,0.2 となった。筋活動量は3 条件とも,大腿直筋,内側広筋,外側広筋,前脛骨筋の活動が動作開始から終了にかけて有 意に増加した。前脛骨筋のみ動作間の違いがあり,条件2,1,3 の順で有意に活動量が多かった。本研究より,スクワット動作では下肢関節間に一定の運動比率が存在したが,その値は足圧中心位置により異なり中間・前方位より後方位で小さいことが示された。
著者
須永 遼司
出版者
首都大学東京
巻号頁・発行日
pp.1-12, 2017-03-25

【目的】背臥位、両上肢挙上運動での胸椎椎間関節の各分節での可動域変化とその特徴、ならびに胸椎椎間関節・肩甲骨の関係性を明らかにすることを目的とした。【方法】対象は健常成人男女22名(男性12名,女性10名)、課題は肩関節屈曲角度0°,60°,120°,150°,最大屈曲の5条件とした。各条件における各胸椎椎間関節角度(∠Th1-∠Th12)と肩甲骨上方回旋角を磁気共鳴画像(MRI)を用いて解析し、条件間での胸椎椎間関節角度の比較および肩甲骨上方回旋と胸椎伸展の相関を調べた。【結果】肩関節屈曲角度0°-120°では∠Th4が伸展し、120°からは∠Th11が、150°からは∠Th12が伸展した。120°-150°間では、肩甲骨上方回旋と∠Th11・∠Th12において負の相関がみられ、150°-最大屈曲間では、肩甲骨上方回旋と∠Th12において正の相関がみられた。【結論】0°-120°は∠Th4が伸展し、120°以降では∠Th11・∠Th12が伸展することで、肩関節屈曲運動に貢献する。また、肩甲骨上方回旋と胸椎の伸展運動は互いに補償し合う関係にあることが示唆された。