著者
須田 努
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

後期水戸学、会沢正志斎の思想との関連、横井小楠との相違から吉田松陰の独自の行動原理を解明した。解収集した史料分析を行い、吉田松陰が征韓論を形成するに至る経過を考察した。この成果は、成均館大学校におけるシンポジウムで報告を行い、「横井小楠と吉田松陰」(趙景達他編『東アジアの知識人』1、有志舎、2013年)としてまとめた。一九世紀、ペリー来航によって形成された危機意識は、富国強兵の論理へと行き着いたことの意味とその後の影響について考察した。征韓論に関わる対馬藩の動向に関しては、史料収集を行ったが、成果の公表には至っていない。今後はこの問題を解決したい。
著者
趙 景達 佐藤 博信 久留島 浩 須田 努 慎 蒼宇 檜皮 瑞樹 小川原 宏幸 宮本 正明
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

近世の薩摩藩には、豊臣秀吉の朝鮮侵略の際に連行されてきた朝鮮人の村があった。苗代川である。本研究は、この村の歴史を近世から近代にかけて明らかにすることによって、幕藩体制の性格を地域から照射するとともに、民族差別の性格を長期的視野のもとに解明しようとしたものである。その結果、薩摩藩の分離主義的傾向と朝鮮人差別の近代的様相が明らかになった。