著者
奥村 弘 市沢 哲 坂江 渉 佐々木 和子 平川 新 矢田 俊文 今津 勝紀 小林 准士 寺内 浩 足立 裕司 内田 俊秀 久留島 浩 伊藤 明弘 松下 正和 添田 仁 三村 昌司 多仁 照廣
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2009-05-11

大規模自然災害と地域社会の急激な構造転換の中で、歴史資料は滅失の危機にある。その保存活用を研究する新たな学として地域歴史資料学の構築をめざした。その成果は、第1に、地域住民もまた保存活用の主体と考え地域歴史資料を次世代につなぐ体系的な研究手法を構築しえたことにある。第2は、それを可能とする具体的な地域歴史資料の保存と修復の方法を組み込んだことである。第3は、科研の中間で起こった東日本大震災での地域歴史資料保存について理念と具体的な方法を提示するとともに、全国的な研究者ネットワークによる支援体制を構築したことである。第4は、地域歴史資料学をグローバルイシューとして国際的に発信したことである。
著者
趙 景達 佐藤 博信 久留島 浩 須田 努 慎 蒼宇 檜皮 瑞樹 小川原 宏幸 宮本 正明
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

近世の薩摩藩には、豊臣秀吉の朝鮮侵略の際に連行されてきた朝鮮人の村があった。苗代川である。本研究は、この村の歴史を近世から近代にかけて明らかにすることによって、幕藩体制の性格を地域から照射するとともに、民族差別の性格を長期的視野のもとに解明しようとしたものである。その結果、薩摩藩の分離主義的傾向と朝鮮人差別の近代的様相が明らかになった。
著者
岩城 卓二 平岡 隆二 東野 将伸 鎌谷 かおる 久留島 浩 武井 弘一 小林 准士 瀬戸口 明久
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2021-04-01

本研究は、石見銀山附幕領では銀山・銅山・鉄山の三つを結節点に、幕領内の農村・山村・海村などが有機的に連関する広域的な「幕領社会」が形成されていたという視点から、とくに研究が手薄な銅山・鉄山の支配・社会構造の解明を通じて、非農業世界からみた「幕領社会」論の構築をめざすものである。具体的課題は、銅山師堀家文書の研究、鉄山の研究、幕領村の研究、鉱山の開発・操業技術の科学史的位置付けと、操業にともなう自然環境変化の研究である。また、研究者と地域住民が一つの史料群を囲んで地域の歴史を考え、地域住民が主体となった文化財保存・活用の場を創造する。
著者
久留島 浩
出版者
校倉書房
雑誌
歴史評論 (ISSN:03868907)
巻号頁・発行日
no.439, pp.p12-24, 1986-11
被引用文献数
1
著者
檜皮 瑞樹 久留島 浩 伊達 元成
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は、19世紀に北海道へ集団移住した武家家臣団(亘理伊達家家臣団を中心に仙台伊達家家中を対象とした)に関する基礎的な資料調査を実施するとともに、資料群の目録化作業を行った。また、有珠郡をモデルに移住者と先住者(アイヌ民族・先住和人)との接触と軋轢に関して、蝦夷三官寺の一つである有珠善光寺の果たした役割、及び有珠郡の領主権力としての亘理伊達家の果たした役割について明らかにした。
著者
黒田 日出男 藤井 貞和 坂輪 宣敬 米倉 迪夫 玉井 哲雄 久留島 浩 宮崎 勝美 小島 道裕 杉森 哲也 藤川 昌樹 山口 和夫 藤原 重雄 佐多 芳彦
出版者
立正大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2005

中近世風俗画の高精細デジタルコンテンツの蓄積、画像史料研究用プラットフォームの開発、合戦図屏風研究用の語彙集積とデータベース化、研究成果公開の一端として博物館・美術館の展覧会での展示、絵画史料学的研究の飛躍的向上など。
著者
久留島 浩
出版者
公益財団法人史学会
雑誌
史學雜誌 (ISSN:00182478)
巻号頁・発行日
vol.95, no.8, pp.1346-1378, 1419-1420, 1986-08-20

In the early part of the modern period those in power legitimized their authority in the consciousness of the people by forcing on them various patterns of etiquette and ceremony. In the same way in Early Modern Japan the bakufu and han authorities succeeded in securing its everyday management of the populace through the enforcing of many forms of etiquette and ceremony. For example, when the shogun or a daimyo travelled in procession the people living along the route used were required to perform many highly formalized and troublesome duties. By performing such duties as greeting and viewing the procession according to the rules of formality and performing ritualized services for the procession, the people were compelled to feel and experience the authority of the shogun and those in power. This paper investigates the historical significance of some of the ceremonial duties which were imposed on the people who lived along the roads whenever a shogun or daimyo procession passed. These formalities were the making of small conical piles of white sand in front of each house on either side of the road (morisuna), spreading white sand on the road (makisuna), and the placing of brooms and buckets in front of each house. These activities were part of the etiquette of road cleaning and purification, and as such were part of the broader formalities of "hospitality" (Chiso) due to the shogun or daimyo along the road. The placing of brooms, buckets and piles of white sand before each home, as well as the spreading cf white sand on the road, symbolized the completion of sweeping the road, spreading water to hold down the dust, and spreading sand which had to be done before any shogun, daimyo or their officially approved processions. In modern Japanese the meaning of the word Chiso is largely limited to providing food and drink ; however, in the Early Modern Period Chiso, which the people did for the authorities, included this road cleaning and purification, fixing up the houses on the street, repairing roads and bridges, greeting the procession as it passed and sending it off, together with all the formalities regulated down to the smallest and most trivial details. To show concretely the relationship between the people and the authorities in Early Modern Japan it is neccessary to clarify the enforced forms of etiquette and ceremony of Chiso.
著者
山田 賢 久留島 浩 岩城 高広 安田 浩 秋葉 淳 趙 景達 佐藤 博信 菅原 憲二 安田 浩
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究においては、北東アジア(具体的には中国・朝鮮、そして日本を対象として想定している)の近代移行期における国民国家の形成について比較研究を行った。それぞれの地域の事例について文献調査を実施したほか、浙江工商大学日本文化研究所、武漢大学日本研究中心の研究者と共同研究会を開催して検討を行った。その結果、北東アジア各地域における国民国家は、それぞれの地域において育まれた近世伝統社会における社会関係を基体として出現したことを明らかにした。
著者
宮坂 正英 久留島 浩 青山 宏夫 日高 薫 小林 淳一 松井 洋子
出版者
長崎純心大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、ヨーロッパ各地の博物館、大学、図書館ならびに末裔宅に所蔵されるシーボルト関係文書並びにシーボルトが日本滞在中に収集した日本産業・生活文化資料を横断的に調査・研究し、シーボルトがヨーロッパでどのような構想をもとに日本を紹介しようと試みたのか、その一端を復元的に研究しようする試みであった。今回の調査でミュンヘン国立民族学博物館にシーボルトが死の直前まで行っていた日本展示の構成を具体的に示す目録が発見され、これをもとに展示品を抽出した。その結果、シーボルトの日本紹介は従来の美術・工芸を中心とした日本紹介と異なり、日本の産業とその産業に従事する日本人の生活文化の紹介に主眼が置かれていることが分かった。このことから、シーボルトが意図した日本紹介は、独自の発想にる異民族およびその文化の理解の方法に基づいて行われていることが分かり、今後シーボルトの民族学的な思想を解明する手がかりを得ることができた。また、本研究を通じて、ヨーロッパ各地の関係諸機関に分散して所蔵されているシーボルト関係資料を横断的に調査・研究する方法が必要不可欠であることが認識された。このためには、画像付きデジタル・データベースの共有化が最適であるため、最初の試みとして、ミュンヘン国立民族学博物館所蔵のシーボルト・コレクションおよびシーボルトの末裔フォン・ブランデンシュタイン家所蔵のシーボルト関係文書の画像付きデジタル・データベースの構築を開始した。