著者
高橋 康貴 下平 陽介 吉田 樹 田近 宗彦 髙橋 壮 渡邊 健太 福田 翔 小泉 重仁 松橋 保 飯島 克則
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.120, no.4, pp.325-329, 2023-04-10 (Released:2023-04-10)
参考文献数
15

64歳女性.SARS-CoV-2 mRNAワクチン(3回目)の接種翌日から排便回数増加,血便,腹痛,発熱を認めた.下部消化管内視鏡検査にて全大腸に深掘れ潰瘍を認め,潰瘍性大腸炎と類似する炎症性腸疾患としてステロイド,インフリキシマブを導入し軽快した.mRNAワクチン接種を契機に発症した潰瘍性大腸炎に類似する炎症性腸疾患を経験した.
著者
飯島 克則
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.106, no.1, pp.33-38, 2017-01-10 (Released:2018-01-10)
参考文献数
13
被引用文献数
1

日本においては,Helicobacter pylori(H. pylori)感染率の低下に伴い,消化性潰瘍の件数そのものは減少している.その一方で,消化性潰瘍の成因に関して変化が起こっており,かつては消化性潰瘍の大部分を占めていたH. pylori感染による潰瘍は減少し,それに代わって非ステロイド性抗炎症薬(non-steroidal anti-inflammatory drugs:NSAIDs)などの薬剤性潰瘍,また,H. pylori感染,NSAIDsによらない特発性潰瘍の割合が増加してくると予想される.H. pylori感染陰性時代には,潰瘍の成因は多様化することが予想され,適切に成因を診断し,それに応じた適切な治療が求められる.
著者
飯島 克則
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

食道・胃接合部で発生する癌は、欧米を中心に急速に増加しており、食生活の欧米化などに伴い、今後、本邦でもその増加が危惧されている。私は、これまでヒトの食道・胃接合部で限局性に発生する一酸化窒素(NO)が同部の炎症・発がんと関連しているという仮説をたて研究を進めてきた。今回のラットの動物モデルを用いた研究で、NOが食道・胃接合部の粘膜表面に傷害を及ぼすことを明らかにされ、今後、発がんとの関連に関しての検討が期待される。