著者
宇野 重規 宮本 雅也 犬塚 元 加藤 晋 野原 慎司 網谷 壮介 高見 典和 井上 彰 馬路 智仁 田畑 真一
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

1971年に公刊された『正義論』に端を発するジョン・ロールズの正義論は、いまなお自由、平等、そして民主主義をめぐる多様な研究の重要な基軸である一方、刊行から半世紀近くを経て、それ自身が一つの歴史になりつつある。本研究は、ロールズの正義論について、現代政治哲学における最先端の研究と、政治思想史や経済思想(史)からの歴史的な再定位を結びつけることで、「平等かつ自由な社会とは何か」というロールズの最も根源的な問いに答えることを目指す。この作業を通じて、政治哲学と政治思想史、さらに経済思想(史)研究の研究者のプラットフォームを作り、21世紀のリベラルな民主的社会のあり方を考察する。
著者
馬路 智仁
出版者
東京大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究は、近代イギリスの政治思想(19世紀前半から20世紀初頭)において半ば忘却されてきた、きわめて独特な知的系譜、すなわち殖民主義からグレーター・ブリテン構想、そしてブリティッシュ・コモンウェルス構想へ至る帝国的系譜を描き出そうとする点にある。その最大の目的は、ポスト・ブレグジット時代を睨む今日のイギリスにおける「コモンウェルスへの回帰」言説を歴史的文脈の中に位置づけ、相対化するパースペクティヴを提供することである。