- 著者
-
駒田 聡子
- 出版者
- 日本調理科学会
- 雑誌
- 日本調理科学会大会研究発表要旨集 2019年度大会(一社)日本調理科学
- 巻号頁・発行日
- pp.13, 2019 (Released:2019-08-26)
【目的】家庭科は,「日常生活に必要な基礎的知識および技術を身につける」ことを目的としているが,大学生の様子を見ると「缶切りが使えない」「(青菜ゆで)お湯の沸騰が分からない」「親指を使って桂むきができない」など,小学校から始まる家庭科で学ぶべき内容が定着していないと感じる場面が多い。そこで将来小学校教員となる教育学部学生を対象にアンケートを採り,これまでの学びの中で食に関わる基礎的・基本的知識がどの程度身についているのかを知り,そこから課題をみいだし教科教育に活かすことを目的とした。【方法】二大学の教育学部学生を対象として家庭科教育の初回授業時に,衣食住に関わる基礎的知識を問うアンケートを実施した。回答者数202名。【結果および考察】各項目の正解率は,1カップの容量 43%,大さじ1 55%,小さじ1 64%,水からゆでる食材 40%,食品群 約55%,1合 9%,消費・賞味期限 92%,食糧自給率語句の意味 54%・数値 11%,密度の違い 63%,廃棄率計算 36%だった。この結果より,実生活に必要な各教科での学びが知識として定着していないことが示唆できた。今後は各教科での学びを「実生活の具体的などの場面にどう活かすのか」,「どう活かせるのか」をより実感を伴って理解されるように教え,小学校での教科教育に活かせる教員養成を行っていく必要性を強く感じた。