- 著者
-
河村 善也
吉川 周作
阿部 祥人
古瀬 清秀
樽野 博幸
金 昌柱
高 星
張 穎奇
張 鈞翔
松浦 秀治
中川 良平
河村 愛
- 出版者
- 愛知教育大学
- 雑誌
- 基盤研究(B)
- 巻号頁・発行日
- 2009
東アジアのうち,北海道を除く日本本土では後期更新世~完新世に多くの種類の哺乳類が絶滅しているが,その絶滅期はMIS 3 からMIS 2 にかけてで,大型種だけでなく小型種も絶滅している.絶滅は短期間に急激に起こったのではなく,比較的長い期間に徐々に進行したようである.この地域ではずっと森林が維持され,環境変化が穏やかで,人類の影響もさほど強くなかったことが,そのようなパターンをもたらしたと考えられる.琉球列島では島ごとに絶滅のパターンが異なり,ここでは人類が絶滅に深くかかわっていると推定される.中国東北部では,ヨーロッパでのパターンに似た絶滅が起こったが,中国中・南部では絶滅はそれより限定されたものであったようである.台湾や韓国では,まだ研究が十分ではない.