著者
高原 誠
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR TB AND NTM
雑誌
結核 (ISSN:00229776)
巻号頁・発行日
vol.79, no.12, pp.711-716, 2004-12-15 (Released:2011-05-24)
参考文献数
16

[目的] 肺結核治療中に死亡退院した患者の死亡原因を検討した。 [対象と方法] 対象は平成11年~14年の4年間に当院に入院した結核患者のうち, 死亡退院の40例 (男性32例, 女性8例, 平均年齢76歳), 方法は患者背景, 合併症, 結核の重症度, 治療成績をコホート調査にて山下の定義で治療成功の162例と比較検討した。 [結果] 結核死17例, 非結核死23例で, 後者の内訳では肺炎が最も多く9例を占めた。死亡例は年齢とパフォーマンス・ステータス (PS) の値が有意に高く, 栄養状態は悪く, 炎症反応は亢進していた。治療開始までの期間も長かったが, 有意ではなかった。合併症は死亡例全例が有し, 肝疾患, 脳血管障害で対照群と差を認めた。病変の拡がりも死亡例には進行例が多かった。治療成績では副作用で薬剤変更する割合が死亡例で有意に高く, 標準治療可能例が少なかった。 [考察と結語] 患者発見の遅れより標準治療が不能だった点が死亡に影響した。そのため排菌陰性化が得られにくく, 結核によって直接的または間接的に死亡した。非結核死の肺炎死の中には, 結核死に含めてもよいと考えられる症例も存在した。
著者
高原 誠 鈴木 健二 田上 敦士 阿野 茂浩
雑誌
研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.18, pp.1-6, 2010-02-25

近年,プッシュ型サービスを用いた災害情報などの小さな情報の配信が増加している.これらの情報は,通知に時間がかかると,本来の意味を失う可能性がある.例えば災害情報速報においては,災害を検知してから通知完了まで長時間経過すると,その対策が間に合わなくなる.このため,これらの情報通知では配信開始から全ての端末への情報通知完了時間を最小にすることが望まれる.本稿では,シミュレーションを用いて,異なる方法で形成される配信木モデルについて,全ユーザに情報を配信するために要する総情報配信時間を比較検討した.さらに,その配信木モデルの中の偏りのある配信木に着目し,分散などのシミュレーションにパラメタを変更し,それがどのように総情報配信時間に影響を与えるかを解析した.Recently, plenty of the short messages such as disaster information are distributed over Internet with correspond to the increasing use of Web services. These messages are time sensitive and need to be distributed within certain period. A sign and a warning of natural hazard should be distributed as fast as possible and quick distribution of stock information is very important to the enterprise management. Therefore, realization of the efficient push service over the Internet is expected. We have already reported that P2P communication is promising for the short message distribution to the city size of area with comparing to the server and client distribution. This paper analyzed the total information distribution time to all recipients with different network topologies, balanced and skewed tree, by simulation. Moreover, we have analyzed the contributions of skewed tree in details with several analytical parameters.