著者
山本 寛 近藤 喜芳 佐々木 力 阿野 茂浩 山崎 克之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.96, no.10, pp.1226-1229, 2013-10

本研究では,大規模なイベントの安全確保や宣伝などのために,参加者がもつAndroid端末に向けてIPマルチキャストを利用して様々なコンテンツを配信する新しい情報配信システムを提案する.約40万人が参加する長岡花火祭りにおける提案システムの実証実験では,情報配信地点から250[m]離れた位置に対して音声情報を提供できることを確認した.
著者
大岸 智彦 阿野 茂浩 長谷川 亨 加藤 聰彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CQ, コミュニケーションクオリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.134, pp.1-6, 2007-07-05

顧客にインターネット接続を提供するプロバイダは,自身のネットワークの安定運用を図るだけでなく,顧客から現在・過去の接続障害の原因を問われた場合に,適切な回答を行うことが求められる.しかしながら,多くの障害申告に対し,ネットワーク状態の調査結果を適切に準備することは,運用者にとって多大な業務となる.これは外部プロバイダから得られるネットワーク状態に関する情報が,公開されたBGPデータ等に限られていることに起因する.本稿では,データベースの利用により,ネットワーク状態の迅速な検索を行う経路検索システムについて提案する.本稿では,システムの設計,実装および性能評価結果について述べる.
著者
高原 誠 鈴木 健二 田上 敦士 阿野 茂浩
雑誌
研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.18, pp.1-6, 2010-02-25

近年,プッシュ型サービスを用いた災害情報などの小さな情報の配信が増加している.これらの情報は,通知に時間がかかると,本来の意味を失う可能性がある.例えば災害情報速報においては,災害を検知してから通知完了まで長時間経過すると,その対策が間に合わなくなる.このため,これらの情報通知では配信開始から全ての端末への情報通知完了時間を最小にすることが望まれる.本稿では,シミュレーションを用いて,異なる方法で形成される配信木モデルについて,全ユーザに情報を配信するために要する総情報配信時間を比較検討した.さらに,その配信木モデルの中の偏りのある配信木に着目し,分散などのシミュレーションにパラメタを変更し,それがどのように総情報配信時間に影響を与えるかを解析した.Recently, plenty of the short messages such as disaster information are distributed over Internet with correspond to the increasing use of Web services. These messages are time sensitive and need to be distributed within certain period. A sign and a warning of natural hazard should be distributed as fast as possible and quick distribution of stock information is very important to the enterprise management. Therefore, realization of the efficient push service over the Internet is expected. We have already reported that P2P communication is promising for the short message distribution to the city size of area with comparing to the server and client distribution. This paper analyzed the total information distribution time to all recipients with different network topologies, balanced and skewed tree, by simulation. Moreover, we have analyzed the contributions of skewed tree in details with several analytical parameters.
著者
阿野 茂浩 長谷 川亨 山崎 克之 加藤 聡彦 鈴木 健二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会秋季大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1994, no.2, 1994-09-26

一般的に、FR回線上のフレームをATM回線上のセルに変換する方式には、1つのフレームを受信後、フレーム全体をセル化してATM回線へ送出するメッセージモードと、フレームを1セル分受信次第、順次セル化して送出するストリーミングモードの2つの方式が考えられている。筆者らはこれまでに、複数FR回線からATM回線への多重化装置におけるフレームの送出待ち時間などについて、両方式の比較を行った。セル化方式の検討を進めるためには、ATM網内において多重化が行われた場合の特性を比較することが重要である。そこで本稿では、複数の多重化装置からのATM回線が、ATMノードでセル多重化された場合のセル損失率とフレーム損失率について、シミュレーションにより両方式を比較した結果について述べる。
著者
佐々木 力 小林 修 田上 敦士 長谷川 輝之 阿野 茂浩 長谷川 亨
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.89, no.8, pp.1379-1389, 2006-08-01
被引用文献数
4

本論文では,マルチキャスト配信時間という現実的制約に着目し,LT符号を用いた蓄積型コンテンツ配信における効率的な信頼性保証技術について提案する.近年,インターネットやモバイル網上でのマルチキャスト配信を対象とした低負荷で高い回復能力を有するFECとして,XOR演算に基づいたerasure codesが注目されている.特に,LT符号は,配信時間の拡大に伴い信頼性が向上するため,全受信者への配信が完了するまで配信を継続すればよい.しかしながら,マルチキャスト帯域の有効利用やサービス提供上の制約等により,1コンテンツ当りのマルチキャスト配信時間が固定されることが想定される.このような場合,すべての受信者への配信を保証するために,配信が完了していない受信者が差分データを送信者に直接要求するユニキャストベースの回復方式が必要である.我々はLT符号の特徴を考慮した要求データ選択手法を提案し,計算機シミュレーションにより有効性を確認した.
著者
熊木 健二 中川 郁夫 永見 健一 長谷川 輝之 阿野 茂浩
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.1616-1626, 2007-04-15
被引用文献数
4

近年,キャリアは,既存ネットワークを統合する傾向にある.これらのネットワークを統合するコアルータでは,インターネットトラヒックや企業系トラヒック等,様々なアプリケーションを扱う必要があり,大容量化が必須である.これらのトラヒックを制御する手法の1 つにMPLS TE(Multi-Protocol Label Switching Traffic Engineering)技術があり,多くのキャリアで使用されている.MPLS ネットワークのルータ間に複数のリンクが存在するECMP(Equal Cost Multi Path)環境において,自動計算を用いて予約帯域0 のMPLS TE LSP(Label Switched Path)を確立する場合,各リンクを通過するMPLS TE LSP の本数を均等にできない.そのため,本論文では,ECMP 環境において,予約帯域0 のMPLS TE LSP を効率的に確立する新たな経路選定手法を提案する.また,実ネットワークを考慮した環境で,従来の経路選定手法と提案する経路選定手法の比較を行う.提案する手法が,決定的アルゴリズムで,既存のMPLS TE LSP の本数を考慮して,MPLS TE LSP を均等に確立することが可能であった.そのため,キャリアの実運用およびネットワーク設計に対して,非常に有益な手法であることが分かった.Recently some carriers try to build a converged network as NGN (Next Generation Network) and need to control high-capacity traffic which includes some kinds of applications such as voice, video and data. MPLS TE (Multi-Protocol Label Switching Traffic Engineering) was introduced as one of the methods to control this traffic in some carrier's network. Currently, we face the problem which 0-bandwidth MPLS TE LSPs (Label Switched Path) are established by using some specific links in case parallel links exist between routers in ECMP (Equal Cost Multi Path) environment. This paper focuses on a path selection algorithm taking into account a load balancing of control plane when 0-bandwidth MPLS TE LSPs are established and proposes a new path selection algorithm to solve this problem. Finally, we confirm that 0-bandwidth MPLS TE LSPs are established equally taking into account the number of existing MPLS TE LSPs in case parallel links exist between routers in ECMP environment.
著者
後藤 崇行 長谷川 輝之 阿野 茂浩
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.36, pp.79-84, 2009-05-14

近年,ネットワークを流れるトラヒック量が増大してきており,その迅速な解析を目的としたサンプリングの必要性が高まってきている.サンプリングはパケットサンプリングとフローサンプリングに分類される.前者は実装が容易であり,様々な製品に実装され広く使用されているが,フロー統計の計測性能が低いという問題を有している.後者は,パケットサンプリングに比べてフロー統計の計測性能は高いが,フローを分類する必要があり汎用のルータ・スイッチへの実装は進んでいない.本稿では,フローサンプリングの問題点である実現性向上を目的として,ルータ・スイッチのアクセスリスト機能を利用したワイルドカードマスクによる方法を提案する.ハッシュベースのフローサンプリングと比較し,フローを大きく間引かない場合には,フローの統計量分布の計測性能は実用上問題とならないことを確認した.