- 著者
-
高取 祐介
八嶋 弘幸
- 出版者
- 一般社団法人電子情報通信学会
- 雑誌
- 電子情報通信学会技術研究報告. ITS
- 巻号頁・発行日
- vol.109, no.187, pp.23-28, 2009-09-02
- 参考文献数
- 8
- 被引用文献数
-
4
本稿では,前方障害物検出用センサで検出した車両走行情報を車車間通信によって周辺他車両と共有する安全運転支援システムの性能評価を行っている.前方障害物検出機能と車車間通信機能を車両が有するモデルをミクロスコピックシミュレータに導入している.また,自車を中心とした一定範囲内に存在する周辺他車両数に対する情報取得車両数の割合を情報取得率と定義し,システム機器の普及率に対する情報取得率を評価している.さらに,一定道路区間における平均事故発生間隔と,一台あたりの車両が一定距離を走行した際の平均事故遭遇頻度を普及率に対して評価している.前方障害物検出センサのみを使用するシステムと前方障害物検出センサと側後方障害物検出センサを両方使用するシステムにおいて,普及率20%から80%において同平均事故発生間隔で比較した結果,前方障害物検出センサと側後方障害物検出センサを両方使用するシステムに対して,前方障害物検出センサのみを使用するシステムは10ポイントから30ポイント高い普及率が必要となることが明らかにされている.また,平均事故遭遇頻度を比較したところ,搭載車の安全性は普及率40%までは差があるが,40%よりも普及率が向上すると,前方障害物検出センサのみを使用するシステムの平均事故遭遇頻度は前方障害物検出センサと側後方障害物検出センサを両方使用するシステムに近づくことが明らかにされている.