著者
長田 真澄 高増 雅子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.40-43, 1981-02-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
8
被引用文献数
3

各種の食品の調味にA.みりん,B.日本酒+砂糖,C.砂糖のみの3種を使用,つけ焼,いり煮などを行い,色差計とネオカードメーターで色つやと硬さを測定すると同時に官能検査を行って香り,色つや,甘み,塩からさ,硬さ,総合評価を比較し,次の結果を得た.1.香りについてはB,A,Cの順に好まれた.2.色つやでは大差ははいがBがわずかによい.官能検査でもほぼ同様の結果を得た.3.甘みは糖度を最初の官能検査で調整し,日本酒+砂糖および砂糖のみの糖度を40°とした試料で行ったが,C,B,Aの順に甘味を強く感じるという結果を得た.4.塩からさは甘味と逆の結果を得た.5.硬さではAはB,Cよりやや硬く,BはCとほぼ同じであった.これも官能検査とほぼ同じ結果を得た.6.総合評価ではB,A,Cの順に好まれた.
著者
品川 弘子 富吉 靖子 高増 雅子
出版者
東京聖栄大学
雑誌
聖徳栄養短期大学紀要 (ISSN:02866366)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.20-25, 2004-12-20
被引用文献数
1

女子学生の食生活の実態を把握し食教育の実践に生かすことを目的として、本学女子学生128名にアンケート調査を行った結果、以下のような食生活を取り巻く実態が判明し、今後の食教育のあり方について多くの助言が得られた。摂取頻度のもっとも高い食品は、その他の野菜で、次いで油類、牛乳・乳製品であった。また、摂取頻度の低い食品群として、海藻類、豆類・豆腐製品、魚・肉またはその加工品、緑黄色野菜が挙げられた。「改善の必要あり」および「放っておくと健康を損なう恐れあり」と判断された学生がそれぞれ27%および5%存在する一方、「健康状態が良い」が13%で、「まあまあ良い状態」が55%であった。また、80%の学生が米を主食としており、パンが10.5%、麺類が9.5%であった。今回の調査で初めて「外食」と「中食」の領域に共通な食べ物として「ハンバーガ」「サラダ」「寿司」が挙げられた。「外食」は、80%以上の学生が週に1〜3回利用しているが、「中食」は、1日に1〜2回利用している学生と、週に1〜3回利用している学生とが半分ずつ観察された。飲料では「お茶」が60%以上の学生にもっとも高頻度で飲まれており、菓子では第1位に「チョコレート」が挙げられた。約50%の母親が食事作りをしており、学生自身が自分で作るが33%.で、そのうちの1人暮らしの2/3が「自分」で食事作りをしていることが判った。
著者
戸張 千夏 高増 雅子
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.79, no.2, pp.76-89, 2021-04-01 (Released:2021-05-15)
参考文献数
28

【目的】本研究では,マレーシアにおける大学生の食生活や飲料摂取状況の現状を把握し,その特徴について明らかにすることを目的とした。【方法】マレー半島のトレンガヌ州にあるマラ工科大学ドゥングン校,スランゴール州にあるマラ工科大学プンチャックアラム校の学生632名を対象とし,2019年3月~4月に食生活調査及び飲料摂取調査を実施した。食生活調査について,アンケート回答をスコア化し,群間の差(男女間,大学間)にはMann-Whitney のU検定を用いた。飲料摂取調査については,項目ごとに結果を集計し,χ2検定を行った。【結果】食生活調査では,対象者全体で,運動と健康との関わりや食生活の大切さについては理解しているが,砂糖摂取量に関する知識は乏しいことが分かった。砂糖摂取に関するセルフ・エフィカシーが低い傾向がみられた。また,朝食の欠食が昼食や夕食よりも多かった。女性は,砂糖摂取についての意識や栄養教育ワークショップへの関心も高く,男性は,運動について興味を持ち積極的に行っている傾向がみられた。飲料摂取調査では対象者全体で,水の摂取頻度が高かった。また,紅茶(コンデンスミルク入り,砂糖入り),麦芽飲料などのsugar-sweetened beverage(SSB)の摂取頻度が高い一方で,砂糖なしの紅茶やコーヒーの摂取頻度が低かった。女性は,男性より砂糖なしの飲料の摂取頻度が低かった。【結論】対象大学生における砂糖摂取量及びSSBの摂取頻度に係る課題が明らかになった。