著者
大丸 環姫 橋本 博雄 高山 敏 秋元 健
出版者
公益社団法人 日本実験動物学会
雑誌
実験動物 (ISSN:00075124)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.19-23, 1975 (Released:2010-08-25)
参考文献数
14

実験動物の血中T4濃度, TBCおよびそれらの日内変動について検討し, 次の成績を得た。1.サル, イヌ, ウサギ, ラットの血中T4濃度とTBCを測定したところ, T4濃度はラットが最も高く, ついでサル, ウサギ, イヌの順であった。TBCはサルが最も高く, イヌ, ウサギ, ラットの間には明らかな差が見られなかった。イヌとラットにおいて, 血中T4濃度, TBCの性差は検討したが, いずれにおいても明らかな性差は見られなかった。2.イヌの血中T4濃度とTBCの日内変動を検討したが, T4濃度は深夜から明け方に高く, 午前中低く, またTBCは午前中高く, 深夜に低い明瞭な日内変動が見られた。3.ラットの血中T4濃度とTBCの日内変動の検討の結果, いずれにも著明な日内変動は見られなかった。(本論文の要旨は日本実験動物研究会第8回研究発表会において発表した。)
著者
宇佐見 友理 石川 和明 高山 敏典 柳澤 政生 戸川 望
雑誌
マルチメディア,分散協調とモバイルシンポジウム2018論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.32-42, 2018-06-27

自動車 ・ バイクの挙動認識に基づいて危険運転を予測し,事故を未然に防げるようになった.しかし,自転車の挙動認識に目を向けた研究は少ない.自転車はバイクと同じ二輪車であるが,バイクと異なり車道以外を走行する可能性があるため歩行者や電柱といった障害物を回避する動作が多くなる.そのため,バイク向けの挙動認識手法を自転車に適用すると回避動作を正確に認識することは難しい.既存の自転車の挙動認識手法として,スマートフォンを後輪軸横に設置することでセンサのノイズを低減し,自転車の挙動を比較的正確に認識する手法が提案されているが,この手法では,自転車が遅い速度で曲がった際,角速度の変化を十分に認識できず,直進状態と右左折状態でのセンサの値に違いが現れにくくなり誤認識につながるという問題点がある.さらにユーザが停車中にスマートフォンを利用できず実用的ではない.一方,スマートフォンの設置位置をハンドル部分にすると,センサがノイズの影響を受けやすくなり自転車の挙動認識そのものが難しくなる.本稿では,スマートフォンに搭載された 3 軸加速度センサと 3 軸ジャイロセンサを用いた自転車の挙動認識手法を提案する.提案手法では,スマートフォンをハンドル部分に取り付けることで,ハンドルの回避動作の認識を可能とし,ユーザが停車中にスマートフォンを利用可能とする.自転車走行の際にバランスをとるために行う周期的なハンドル操作に着目しこれに基づくセンサのノイズを除去し,また機械学習により自転車の挙動を学習することで,正確な自転車の挙動認識を可能とする.提案手法を用いて自転車の挙動 (停止 ・ 直進 ・ 右折 ・ 左折) を認識したところ,既存手法の F 値が 0.6 を超える程度であったのに対して,4 つの挙動全てについて F 値が 0.8 を超える高い精度となった.