著者
田嶋 嘉雄
出版者
公益社団法人 日本実験動物学会
雑誌
実験動物 (ISSN:00075124)
巻号頁・発行日
vol.13, no.4, pp.133-138, 1964-10-30 (Released:2010-08-25)
参考文献数
22
著者
依田 八治 中山 一栄 遊佐 智栄 佐藤 重男 福田 三五郎 松本 幸蔵 中川 雅郎
出版者
公益社団法人 日本実験動物学会
雑誌
実験動物 (ISSN:00075124)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.7-11, 1976 (Released:2010-08-25)
参考文献数
24
被引用文献数
1 3

種々の動物におけるBordetella bronchisepticaの分布を知る目的で, 過去10年間にわたりマウス, ラット, スナネズミ, ゴールデンハムスター, モルモット, ウサギ, イヌ, ネコ, カニクイサルの呼吸器について本菌の検索を試みた。その結果, マウス, スナネズミ, ゴールデンハムスターはいずれも陰性であったが, 他の動物種からはすべて本菌が分離された。すなわち, ラットでは7/25 (28.0%) コロニーから菌が分離され, これらのコロニーにおける陽性個体の検出率は10.0~61.3% (平均50.0%) であった。モルモットでは22/60 (36.7%) コロニーが本菌に汚染し, 各コロニーにおける陽性個体の検出率は6.7~58.2% (平均18.3%) を示した。ウサギの場合は被検個体の由来によって検出率に大きな差がみられ, 一般農家から集めたウサギでは3.0%が陽性であったのに反して, 実験動物として比較的大きな規模で生産されたコロニーでは51.5~77.2%の高い陽性率を示した。イヌ, ネコは一般家庭で愛玩動物として飼育していたものを検査の対象にしたが, 前者では12/226 (5.3%) 匹, 後者では4/126 (3.2%) 匹より本菌が検出された。サルについては, 健康な動物の気管で3/48 (6.3%) 匹が陽性であったが, 肺病変を有するものについて病変部の培養を行ってみると16/39 (41.0%) 匹より本菌が分離された。
著者
芳賀 良一
出版者
公益社団法人 日本実験動物学会
雑誌
実験動物 (ISSN:00075124)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.69-80, 1958-04-30 (Released:2010-08-25)
参考文献数
28

Heretofore, studies on ochotona has been limited to the distribution of its habitat and their stored food. The main object of this project was to live-trap ochotona, acquire factual ecological in formations which were necessaay in order to develope ochotona as a new experimental animal.This study was started July, 1957, and is still being continued, and there are still many more problems to be studied concerning ecology and keeping ochotona alive in captivity, but following tare the summary of the results of the study up till now.Ochotona is about the size of a water rat, they are very tame. They are plant-eating animal and their fondness for dried plants seems to be the ircharacteristics.1. Distribution of Ochotona is limited to Mt. Daisetsu, central mountain range, and part of Hidaka range. Population is specially dense in Mt. Daisetsu towards Kitami district.2. Their terrain is mostly in rocky region. Temperature of the interstice is very low even in summer, about 12 to 14 degree centigrade. Their living habit does not seems to be influenced by the outside temperature, humidity nor the vegetation of the region.3. Life span assumed to be from one to three years. Cruising radius about 30 to 40 m. Once settled they will not move from their range.4. They live in the hole or interstice together but do not seem to be cooperative towards each other.5. They do not hibernate. During snowing season, they are active both above the snow and also through the tunnel dug under the snow.6. As far as food is concerned, Ochotona has been observed to eat almost any plant avaiable in the region. They store their winter food in autumn, but during summer, aside from eating fresh plants, they have the habit of temporarily storing and eating half-dried plants.7. There are two kinds of faeces. One, round and pellet like, is usually found at fixed place. The other, long and viscuous, defecated mostly during night on the rock where it is airy. Ochotona has the habit of eating the so called night faeces, and there is every reason to suppose that coprophagy provides the ochotona with various supplies of vitamin B.8. Breeding season assumed between May and July.9. Litter size of Ochotona is between 2 to 3. Cub is slightly furred with eyes closed. About 15 days after birth, they are quite active and independent and they grow rapidly. By the 40th day, it almost reaches its full adult size.10. The author has used the following feed for the captive ochotona: a) quartered apple (fresh) b) lespedeza (bicolor) fresh leaves and flowers and/or half dried leaves, c) wheatgerm meal with supplement of mineral, vitamin A. D., salt and calcium, d) water, or block of ice, 11. Growth rate of captive ochotona was favourable. Increase in growth rate of the young was higher than those of Lemming or the Tundra red back vole.12. Diseases so far found in captive ochotona are as follows: Pneumonia, mycosis, diet defficiency, septicaemia and fly larvae.I wish to express my appreciation to Mrs. Masu Nomura, Miss Michi Nomura of Oiso-machi, Kanagawa Pref., Dr. K. Suzuki of the Veterinary Section for The Institute of the Infectious Diseases for the help given to the author in keeping captive ochotona.
著者
藤原 弘 杉崎 速雄 渡辺 九郎
出版者
公益社団法人 日本実験動物学会
雑誌
実験動物 (ISSN:00075124)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.23-27, 1965-01-30 (Released:2010-08-25)
参考文献数
8

健康成熟ウィスター系ラット♂72匹をもちい外気温の高い夏季の直射日光下に暴露したときの致死体温の決定と, 直射日光を遮蔽した屋外における一昼夜の体温変化を測定した。1.直射日光下 (外気温30~35℃) に暴露したラットの致死体温は44℃であった。2.直射日光下一外気温29~33℃一の場合には全例死亡するにはいたらなかった。3.直射日光下 (外気温29.5~35.0℃) では43.6~44.0℃で死亡するものが一番多く33%で, ついで43.1~43.5℃, 42.6~43.O℃の閾値は25%の同率で, つぎに42.1~42.5℃の12.5%, 41.5~41.6℃の4.2%の分布であった。4.ラットを直射日光から遮蔽した屋外24時間放置時の体温変動は, 外気温の変動に平行するが, 平均体温38.8℃以上になることはなく, 死亡例はなかった。
著者
大丸 環姫 橋本 博雄 高山 敏 秋元 健
出版者
公益社団法人 日本実験動物学会
雑誌
実験動物 (ISSN:00075124)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.19-23, 1975 (Released:2010-08-25)
参考文献数
14

実験動物の血中T4濃度, TBCおよびそれらの日内変動について検討し, 次の成績を得た。1.サル, イヌ, ウサギ, ラットの血中T4濃度とTBCを測定したところ, T4濃度はラットが最も高く, ついでサル, ウサギ, イヌの順であった。TBCはサルが最も高く, イヌ, ウサギ, ラットの間には明らかな差が見られなかった。イヌとラットにおいて, 血中T4濃度, TBCの性差は検討したが, いずれにおいても明らかな性差は見られなかった。2.イヌの血中T4濃度とTBCの日内変動を検討したが, T4濃度は深夜から明け方に高く, 午前中低く, またTBCは午前中高く, 深夜に低い明瞭な日内変動が見られた。3.ラットの血中T4濃度とTBCの日内変動の検討の結果, いずれにも著明な日内変動は見られなかった。(本論文の要旨は日本実験動物研究会第8回研究発表会において発表した。)
著者
柏崎 守 波岡 茂郎 湯本 健吾 柴田 重孝 赤池 洋二
出版者
公益社団法人 日本実験動物学会
雑誌
実験動物 (ISSN:00075124)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.85-92, 1967-07-30 (Released:2010-08-25)
参考文献数
20
被引用文献数
1 3

ブタの無菌飼育実験に際し, 飼育装置および子豚の摘出方法などについて検討した。本実験における無菌豚の飼育装置は, 無菌手術箱, 無菌運搬箱ならびに無菌飼育箱からなっている。手術箱はSPF豚生産用のもので, これらの側面に径30cmの穴をあけ, ここにスリーブが装着できるように一部改良した。運搬箱および飼育箱は, 米国Partsco社製のもので, 飼育箱はとくに改良を加えて使用した。すなわち, 床面は金あみのものとし, 糞尿などは金あみを通して下方の空間に落ちるようにした。滅菌ロックの内キヤップはステンレス鋼製のものとし, これらの開閉は片手で容易に操作することができるようにした。飼育箱には, 新しく考案した空気調和機を連結させ, 温度および送風量を調節できるようにした。飼育装置の滅菌は, 2%過酢酸の噴霧によって行ない, また飼育箱の消毒槽用および姙娠豚の腹面消毒用には, ハイクレー10を使用した。姙娠豚から胎子を無菌的に得る方法は, 子宮切断術によった。姙娠豚の麻酔は, 炭酸ガスの吸入麻酔で行ない, 摘出胎子の生存率はきわめて良好であった。
著者
山内 忠平 高橋 弘 安藤 昭弘 今石 延子 野村 達次
出版者
公益社団法人 日本実験動物学会
雑誌
実験動物 (ISSN:00075124)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.31-38, 1967-04-30 (Released:2010-12-09)
参考文献数
20
被引用文献数
3 3

低温 (10℃) , 常温 (25℃) , および高温 (35℃) 環境に暴露したICR-JCLマウスを用いて, Pentobar-bital, Adrenalin, Acetylcholineの致死作用に対する環境温度の影響について検索した。また, 各温度下で上述の薬物を投与したときの心電図, 心拍数, 呼吸数, 血圧, および体温の経時的変化を観察した。1.Pentobarbita1の作用は低温下でもっとも強く現われ, 常温, 高温の順で弱くなった。Pentobarbital50mg/kg以上の投与により, 心拍数と呼吸数が減少し, 血圧と体温は下降した。これらの変化は低温下で強く, 投与後約45分で死亡した。高温下の変化は軽度であった。2.Adrenalineの作用は低温下で強く, 高温, 常温の順に弱くなった。Adrenalin6mg/kgの投与により心拍数の減少, 呼吸数と血圧の―過性の増加, 体温の下降が認められた。この変化は高温下では急激に起こり, 投与後10~15分で死亡した。3.Acetylcholineの作用は高温下で強く, 低温, 常温の順に弱くなった。Acetylcholine140mg/kgの投与により不整脈が発現し, 心拍数と血圧は一過性に減少した。呼吸数と体温は漸減した。この変化は高温下で強く現われ, そのまゝ死亡した。低温下では一時減少してから, 少しく回復し, 以後徐々に減少した。4.以上の結果は, 低温もしくは高温に暴露された動物の生理機能の変化と, 薬物投与による生体の反応とが同時に作用していると考えられ, 実験に当って, 一定の環境温度に設定することの重要性を示唆した。
著者
"わが国における実験動物の生産・調査・研究"班
出版者
Japanese Association for Laboratory Animal Science
雑誌
実験動物 (ISSN:00075124)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.307-340, 1973

1970年度1年間の動物使用数についてのアンケート調査を行ない, つぎのような結果をえた。<BR>アンケートの回答率は67.4% (発送1310, 回答883) であったが, 主要な機関についてみると80%以上の回答率であり, ある程度満足できるものであった (表1) 。<BR>使用された動物種をみると, 原生動物のミドリムシから哺乳動物霊長目のチンパンジーまで, およそ442属585種ならびに12属 (種名不詳) が記録された (表2) 。<BR>これらの使用動物種のうち, 比較的広い分野でつかわれた動物種 (使用機関数10単位以上) をひろってみると, 無脊椎動物では11科 (表3) , 魚類では9種 (表4) , 両生類・は虫類では7種 (表5) , 鳥類では5種 (表6) , 哺乳動物では霊長目4種 (表7) , 実験動物・家畜あわせて12種 (表8・9) であった。<BR>一般的な実験用動物の使用数についてみると, 哺乳動物ではマウス11, 150, 143, ラット1, 600, 643, ウサギ152, 917, モルモット144, 936, イヌ68, 052, ゴールデンハムスター21, 549, ヤギ17, 392, ネコ13, 757, ブタ8, 821, ウシ5, 147, サル類3, 526 (内マカカ属サル3, 007) , ヒツジ1, 187, ウマ371で, その他の哺乳動物は5, 416であった。トリ類ではニワトリ407, 637, ウズラ69, 335, ハト3, 052, ニワトリタマゴ43, 569, 965+であった。なおトリ類の全数は482, 199であった。は虫類ではイシガメが352で, は虫類の全数は4, 676, また両生類ではトノサマガエル65, 286, ウシガエル23, 612, ニホンアカガエル14, 840, ヒキガエル11, 671, イモリ17, 638, アフリカッメガエル6, 489で, 両生類の全数は151, 304であった。魚類についてみると, メダカ135, 275, キンギョ45, 587+, コイ21, 532+, グッピー15, 500で, 魚類の全数は244, 661+であった。<BR>系統ならびに品種・内種についてみると, きわめて多数のものが記載されていたが, とくに広い分野でつかわれたものを数えてみるとつぎのとおりであった。<BR>系統として, マウス23 (表11・12) , ラット9 (表13) , モルモット1 (表14) , 品種・内種としてはニワトリ3, ウサギ2, イヌ1, その他であった (表14) 。<BR>それらのうちで, とくに多数つかわれた系統をみると, マウスではddグループ, ICR, CF#1, C3Hグループ, c57BL・c57BL/6グループ, swissがあげられるしラットではWistarグループ, SPrague-Dawley, Donryuがある。そのほか, モルモットのHartley, ニワトリの内種White Leghorn, ウサギの品種日本白色種も比較的多数つかわれている。<BR>過去2回の調査との比較をみると, 年ごとに使用数の増加がみられている。そして, マウス・ラット・ウサギ・モルモットの4者で全体の90%以上を占めている点は毎回の調査で同じである。なお, とくに増加の著しいものは, マウス, ラット, ゴールデンハムスター, ニワトリ, ウズラであり, その逆に, 1960年度にくらべて著しく減少したものとしてはサル類があげられる。
著者
小原 二郎 横地 千仭 岩井 博 吉村 将文
出版者
公益社団法人 日本実験動物学会
雑誌
実験動物 (ISSN:00075124)
巻号頁・発行日
vol.9, no.6, pp.188-194, 1960-11-30 (Released:2010-08-25)
参考文献数
8

The roentgenological techniques for the giography of monkey were described. The techniques were proved to be useful either for stereotypic analysis of the cardiovascular system or in a magnificating studies with the organ slice following the administration of the contrast media.A live monkey should be examined by arteriopuncture under the intravenous anesthesia with pent- barbitulate. In the case of dead monkey, it was recommended to leave the body in 5°C for 48 to 72 hrs. before the application of contrast media.The emulsified contrast media was introduced slowly into the femoral artery under a fluoroscopy.Bucky was necessary for the better results in the roentgenography of a whole body or the trunk.No screen expose technique was used for the better result to the individual organs.In order to obtain a sharp picture, an enough distance for focal spot, low voltage and waek current were recommended since the exposure has not any limitation for the still object.
著者
黒岩 純一 今道 友則
出版者
公益社団法人 日本実験動物学会
雑誌
実験動物 (ISSN:00075124)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.213-222, 1977 (Released:2010-08-25)
参考文献数
15
被引用文献数
2

Chinchilla lnaigerは南米Andes山脈原産の齧歯目, ヤマアラシ亜目, チンチラ科, チンチラ属の毛皮獣でモルモットと比較的近縁である。当研究室では1966年チンチラの飼育繁殖を開始し, 常時120~150匹を飼育し, 実験動物化および毛皮産業の発展を目標として研究を行なってきている。本報は当研究室において最近4年間に得られたチンチラの発育, 繁殖に間する成績をまとめたものである。初回腟開口日令は変異が大きく (71日令以下~308日令) , 45匹の平均は173.2±57.6日令であった。24匹100性同期の平均は35.7±7.9日であり, 15~62日の範囲であった。5匹の動物について調べられた5妊娠期間の平均は110.4日で108~112日の範囲であった。3年間に分娩した123腹中で5月~8月の分娩数が81腹 (65.9%) で最も多い。従って妊娠期間約110日をさかのぼった1月~4月すなわち春がチンチラの繁殖に最も適した季節と考えられる。12月には分娩が見られず, 妊娠期間をさかのぼると8月~9月上旬には受胎しないようであり, Weirのいうsummer anoestrusと考えられる。産仔数は1~4匹で2匹が最も多く (46.3%) , 平均1.90±0.76匹 (1~4) であった。出生時の性比は133.7 (雌98, 雄131匹) で, 他の動物に比較して雄が多いようである。1973年の年間分娩数は37腹71匹で平均産仔数は1.92匹であった。離乳仔数は59匹, 1腹平均1.59匹, 240日令つまり成熟に達するとみなされる日令に達したもの50匹で1腹平均1.35であった。死因を調査した91匹の動物のうち, 事故死が26匹 (28.6%) , 乳仔の死亡が23匹 (25.3%) と最も多かった。不正咬合が9匹 (9.9%) , 直腸脱が5匹 (5.5%) と多いのが特徴的であった。
著者
織田 銑一 近藤 恭司
出版者
Japanese Association for Laboratory Animal Science
雑誌
実験動物 (ISSN:00075124)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.273-280, 1977
被引用文献数
1