著者
高山 鉄郎
出版者
The Japan Society of Coloproctology
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.237-240, 2000-04
被引用文献数
1 1

肛門手術後の疼痛体策として強力な局所麻酔剤であるオキセサゼインを混和した軟膏を調整し(以下オキセサゼイン軟膏),その効果を検討した.136例の日帰り肛門手術症例に対し,術直後よりオキセサゼイン軟膏の肛門内塗布を行った.全例で塗布後に痛みが和らぎ(痛み指数1,9→0,6),以後用時自己使用としたところ約1日4回の塗布とジクロフェナクナトリウム徐放性カプセル37.5mg錠1日2回服用でおおむね術後の痛みはコントロールされた.5例は自己塗布ができず2例はペンタゾシン使用が必要であった.オキセサゼイン軟骨は使用方法が簡便であり,投与による全身作用の懸念がないため,薬を自己管理にできる,という点で安全簡便効果的な方法と考えられ,特に日帰り手術後における疼痛管理対策として推奨できると考えられた.