- 著者
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鴇田 文三郎
細野 明義
石田 哲夫
高橋 富士雄
大谷 元
- 出版者
- 信州大学農学部
- 雑誌
- 信州大学農学部紀要 (ISSN:05830621)
- 巻号頁・発行日
- vol.17, no.2, pp.117-127, 1980-12 (Released:2011-03-05)
ネパールは国土は狭いが数多くの部族を擁した国家である。この部族の多彩さは食物と食餌習慣に大きな多様性をもたらし,乳や乳製品の利用と製造法にも際立った特徴が認められ,素朴さの中に豊かな独創性を窺うことが出来る。一般的に言って,ネパールの乳製品は長い歴史を有し,多彩な乳製品は発酵型と非発酵型に大別される。代表的な発酵型乳製品として,それぞれヨーグルト,バター油,チーズの一種であるダヒ(dahi),ギー(ghee),チュルピー(churpi)が挙げられ,また代表的な非発酵型乳製品として乳を濃縮固化したコア(khoa)が挙げられる。本報はネパールにおけるそれら代表的な乳製品の製造法について筆者らがネパールの各地で調査し,得られた知見をもとにまとめたものである。