著者
玉野 雅裕 加藤 士郎 岡村 麻子 星野 朝文 高橋 晶
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.69, no.3, pp.275-280, 2018 (Released:2019-02-27)
参考文献数
15
被引用文献数
1 2

高齢の慢性心不全患者は増加しており,感染の合併などで高率に急性増悪を来し,フロセミド静脈注射,トルバプタン内服治療が行われている。しかし,一定の頻度で難治性患者(フロセミドやトルバプタンに対するノンレスポンダー)が存在し,臨床上問題になっている。今回我々は,難治性の心不全に五苓散が著効した2症例を経験した。五苓散投与により2症例とも尿量が増加し,症状,理学所見,各種の検査所見は著明に改善した。さらに退院後,これらの薬剤は継続投与され,心不全の増悪による再入院は約1年間にわたって回避された。この結果は,五苓散の臓器,組織の水の偏在を正常化する作用,および腎集合管におけるトルバプタンの作用を再活性化させた可能性が考えられ,今後,慢性のうっ血性心不全に対する五苓散併用の有用性が示唆された。
著者
高橋 晶子
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.66, pp.22-32, 2002-12

早稲田大学中央図書館では1968年から海外ILLを開始し,受付・依頼共に活発に行ってきた。特にOCLC-WorldCatへの日本語図書データ登録,北米のARL-Japan Project-Waseda参加館とのILL,ロシア国立図書館や韓国の高麗大学校とのILL等はユニークな特色といえる。2000年度の海外への貸出に関しては大学図書館全体の84%を占め積極的に日本資料の公開に努めている。海外ILL業務の受付及び依頼の現状と課題について全般的に報告する。
著者
高橋 晶 伊藤 ますみ 岡崎 光俊 田中 晋 原 恵子 渡辺 雅子 開道 貴信 大槻 泰介 加藤 昌明 大沼 悌一
出版者
日本てんかん学会
雑誌
てんかん研究 = Journal of the Japan Epilepsy Society (ISSN:09120890)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.74-80, 2007-08-31
参考文献数
9

われわれは成人期に脳出血が生じ、初めてウィリス動脈輪閉塞症(もやもや病)と確定診断された側頭葉てんかんの1例を経験した。症例は36歳男性。8歳時月に1&sim;2回の嘔吐から始まる短い意識減損発作が出現した。17歳時、脳波上左前側頭部に棘波を認め側頭葉てんかんと診断された。27歳時けいれん発作重積とひき続くもうろう状態が2日持続した。その後MRIにて両側海馬硬化、右脳内出血瘢痕を認めた。36歳時、遷延する意識障害を呈し画像所見にて脳内出血を認め、もやもや病と診断された。本例の発作は、臨床症状および脳波所見からは側頭葉起源のてんかん発作と考えられ、もやもや病は偶発的に合併したものと判断した。ただし、てんかん原性獲得にもやもや病による慢性的血行動態異常が関与した可能性は考えられた。以上からてんかんの経過中であっても他の脳器質疾患の並存を考慮すべきと思われた。<br>
著者
高橋 晶
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.897-910, 2020-06-15

抄録 新型コロナウイルスCOVID-19が世界中で猛威を振るっている。日本でも感染対応に大きく揺れている。 感染症とメンタルヘルスの歴史は古く,人類の歴史でもある。COVID-19対応で精神医療者に求められているものは,感染した患者へのサポート,対応している医療者へのサポート,一般市民への対応,スティグマ対応,各自の医療機関のメンタルヘルス対応のシステム構築,精神疾患を持つ患者の感染陽性例の外来・入院対応,医療者自身のケアとラインケアなど多岐にわたっている。喫緊の課題として日本の医療崩壊の危険性が大きな問題になっている。このウイルスの特殊性に伴う感染制御の難しさがあり,精神科病院での外来,入院に関して細かい配慮が必要である。また高いストレス下の医療者を支援することで,結果的に地域を間接的に支援することに繋がる支援者支援が重要である。 今回は新型コロナウイルス感染症に伴う精神,心理,公衆衛生・産業衛生的課題と対応について述べたい。
著者
高橋 晶
巻号頁・発行日
2012

筑波大学博士 (医学) 学位論文・平成24年3月23日授与 (甲第6229号)