著者
山本 樹 山田 勝久 鈴木 信孝 許 鳳浩 高橋 正征
出版者
日本補完代替医療学会
雑誌
日本補完代替医療学会誌 (ISSN:13487922)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.67-77, 2018-09-30 (Released:2018-10-12)
参考文献数
84
被引用文献数
1

海洋深層水(Deep Sea Water: DSW)とは200m以深に存在する海水である.海洋深層水の豊富なミネラル分, 清浄性, 富栄養性といった特性を活かした産業利用では, 日本が最先端を行っている.また, 海洋深層水の資源活用, とくに未病や予防医学への応用についても世界中から注目を集めるようになった.そこで今回, 特に, 生活習慣病である脂質異常症, 高血圧症, 糖尿病, 動脈硬化症をはじめ, アトピー性皮膚炎, 骨粗鬆症, がん, 消化性潰瘍, 白内障, 便秘症における海洋深層水の基礎・臨床医学研究成果をレビューしたので報告する.
著者
高橋 正征
出版者
日本海水学会
雑誌
日本海水学会誌 (ISSN:03694550)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.195-200, 2005 (Released:2013-02-19)
参考文献数
15
被引用文献数
1

Deep ocean water (DOW), existing below ca 200m from the surface in the ocean, has been characterized with cleanliness and containing a number of minerals, which can be used for various purposes. One of the most significant effects of minerals in seawater is acceleration and completeness of fermentation processes for foods, alcohol and many others. Tastes of foods and drinks can also be improved by adding seawater and/or its salts. A stimulation of the growth of human skin cells and formation of cornified envelope during skin cell maturation opened DOW applications into skin care and subsidiary uses for medical skin treatments. Seawater is also applied for soil improvement by adding minerals and for improving tastes of vegetables, crop and fruits by spraying onto leaves. Although many of these effects can be made by surface seawater, DOW has a great advantage for foods, drinks and skin cares because these require high cleanliness.
著者
高橋 正征 池谷 透
出版者
海洋深層水利用学会
雑誌
海洋深層水研究 (ISSN:13458477)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.91-100, 2002-12-20 (Released:2010-06-28)
参考文献数
25
被引用文献数
5

海洋深層水の3大特性の一つである清浄性に関して, 内外の知見の整理を試みた. ここでは, 清浄性を1) 一般生物, 2) 病原・汚染生物, 3) 汚染化学物質, 4) 懸濁物質, 5) 有機物, 6) 重金属類, 7) 放射性物質の7項目に分けて検討した. 各項目では, 海洋深層水のもっている特性を整理し, 深層水を利活用する際の効果について例をあげた. さらに, 深層水を保存する際の清浄性の変化についても取り上げた.
著者
菅野 敬 阿部 祐子 奥田 一雄 高橋 正征
出版者
海洋深層水利用学会
雑誌
海洋深層水研究 (ISSN:13458477)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.3-13, 2008-07-30 (Released:2010-06-28)
参考文献数
14

海洋深層水 (以下, 深層水) の清浄性の評価の一部として, 懸濁物質の量と質に着目し高知県海洋深層水研究所で取水している深度320mの深層水と深度5mの表層水について, 2005年7月から月1回の調査を16ヶ月実施した.本研究では孔径0.45μm HAミリポア濾紙に捕集された懸濁物質を主対象とした.同一時期の採取試料の懸濁物質量は常に深層水で表層水よりも少なく平均では表層水の14%以下で, 深層水と表層水ともに懸濁物質量の季節的な変動は確認できなかった.深層水の懸濁物質量の変動範囲は0.195~0.993mg/L (平均0.550mg/L) と1mg/L以下であった.濾紙に捕集した懸濁物質粒子の走査型電子顕微鏡観察により, 深層水の粒子は表層水に比べ小型であるが有機物集塊並びに有機物由来と思われる膜状物や完全なプランクトン藻類細胞は極めて少なかった.しかし深層水の懸濁物質から表層水の4%以下の微量のクロロフィルaが検出されプランクトン藻類のシードストック存在の可能性が示唆された.