- 著者
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堀内 一宏
山田 萌美
白井 慎一
高橋 育子
加納 崇裕
金子 幸弘
秋沢 宏次
梅山 隆
宮崎 義継
矢部 一郎
佐々木 秀直
- 出版者
- 日本神経学会
- 雑誌
- 臨床神経学 (ISSN:0009918X)
- 巻号頁・発行日
- vol.52, no.3, pp.166-171, 2012 (Released:2012-03-28)
- 参考文献数
- 17
- 被引用文献数
-
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症例は37歳女性である.子宮頸癌術後,胸部CTにて腫瘤影をみとめ,クリプトコッカスを検出した.脳MRIで多発腫瘤影をみとめ脳,肺クリプトコッカス症と診断し,抗真菌薬を投与したが効果なく意識障害が出現した.抗真菌薬脳室内投与をおこない意識状態は改善,脳病変の縮小をみとめた.その後脳病変の再増大をみとめ,遅発性増悪と考えステロイドを投与し改善した.難治性経過のため菌株の同定検査をおこないCryptococcus gattii (VGI型)と判明した.C. gattii 感染症では強毒株による健常人症例も報告されている.難治性症例ではC. gattii の検索,ステロイド併用,脳室内投与をふくめた積極的な治療法を検討すべきである.