著者
高橋 裕平 宮崎 一博 西岡 芳晴
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.117, no.Supplement, pp.S21-S31, 2011-09-01 (Released:2013-02-20)
参考文献数
20
被引用文献数
4

筑波山及びその周辺地域の山塊には深成岩類と変成岩類が分布している.深成岩類からは古第三紀初期の放射年代が得られ,また,その岩石学的性質や関連鉱床との関係から西南日本内帯の領家帯及び山陽帯の深成岩類の延長と考えられている.変成岩類は,その原岩がジュラ紀末-前期白亜紀堆積物と考えられ,白亜紀末から古第三紀初期に高温低圧型の変成作用を受けたものである.筑波山塊北の花崗岩類は良質な石材として国会議事堂をはじめ日本の多くの建物で利用されている.
著者
小山内 康人 高橋 裕平 田結庄 良昭 土屋 範芳 林 保 蛭田 真一
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.445-481, 1990-11

第31次南極地域観測隊(JARE-31)夏隊のセールロンダーネ山地地学・生物調査は, 山地全域においてヘリコプターを用いて実施された。ヘリコプター偵察飛行及び調査慣熟のための陸路調査が1989年12月25日から29日にかけて実施されたのに引き続き, 本調査が1990年1月5日から30日まで行われた。そのほかにあすか観測拠点付近の小山塊における調査・観測が1月1日と1月31日に実施された。調査・観測は38日間におよんだ。今回の行動形態は, 内陸山地でヘリコプターを導入した日本南極地域観測隊としては初めての例であるので, 計画作成から実施経過までを通信, 装備, 食料などの設営面を含めて詳しく報告する。調査結果については現在, 整理・研究中であり, 今後個別に発表されるので, ここでは概要を述べるにとどめる。
著者
平川 一臣 松岡 憲知 高橋 裕平 先山 徹 小山内 康人 田中 幸生
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.206-229, 1987-11

第28次南極地域観測隊のセールロンダーネ山地地学調査は, 山地中央部において, 1月7日から2月10日にかけて実施された。調査はJARE-26,-27の調査地域内に限定し, 精査を旨とした。スノーモービルの活用と天候に恵まれ, ほぼ予定どおりの調査を行うことができた。この報告では, 主として行動とその問題点について記載するとともに行動中の気象表を提示する。地学調査の成果については別途に詳しく報告することとし, 概略を記すにとどめる。なお, 今次行動にはベルギー国から2人の地球科学者が交換科学者として参加し, 氷河地形学的調査を行った。