著者
高見 昭良
出版者
The Japan Society for Hematopoietic Stem Cell Transplantation
雑誌
日本造血細胞移植学会雑誌 (ISSN:21865612)
巻号頁・発行日
vol.2, no.3, pp.61-69, 2013 (Released:2013-07-19)
参考文献数
66
被引用文献数
2 2

同種造血幹細胞移植後ドナー血液細胞の生着不全は稀ながら重大合併症であり,早期に致死的経過をたどる恐れがある。サルベージ療法として,前処置後の再移植に加え,単純幹細胞輸注や造血因子,免疫抑制の調整,ドナーリンパ球輸注などの治療が試みられてきたが,治療成績は芳しくなかった。最近安全で効果的な再移植法が開発され,注目を集めている。本項では,生着不全の診断,予後,治療法を中心にこれまでの報告をまとめた。
著者
佐藤 英洋 内海 真紀 宮川 英子 山﨑 宏人 安江 静香 高見 昭良
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.22-26, 2015-01-25 (Released:2015-03-10)
参考文献数
12

急性白血病など血液がん患者の一部に血液型A・B抗原の発現低下が認められる。血液型亜型・キメラなどのA・B抗原の発現低下と鑑別するために,フローサイトメトリー(FCM)法でABH抗原に転換するオリゴ糖末端付近にあるI抗原発現動態を解析した。A・B抗原減弱を伴う血液疾患と非血液疾患の発現率と蛍光強度を統計学的に比較したところ,I抗原の発現率が血液疾患のみ有意に低下していた。よって,FCM法によるI抗原解析で,血液疾患によるA・B抗原発現低下と先天性の特殊血液型を鑑別できる可能性が高い。