著者
飯田 貴次 坂井 貴光 高野 倫一
出版者
日本魚病学会
雑誌
魚病研究 (ISSN:0388788X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.87-91, 2016 (Released:2016-10-07)
参考文献数
14
被引用文献数
4 12

Edwardsiellosis in fish caused by Edwardiella tarda and E. ictaluri is reviewed. Genus Edwardsiella belongs to the Enterobacteriaceae family, and E. tarda produces both hydrogen sulfide and indole, whereas E. ictaluri does neither. E. tarda was first isolated from diseased eel in Japan, and infects freshwater fish as well as marine fish. E. ictaluri has been detected in only freshwater fish after described as a new species from diseased channel catfish in the United States. The two pathogens survive in phagocytic cells, and hosts affected with edwardsiellosis die from septicemia. There were no reports about E. ictaluri infection in Japan before E. ictaluri was isolated from diseased wild ayu in 2007. Recently, the vaccine against edwardsiellosis of Japanese flounder was officially approved in Japan.
著者
坪井 潤一 寺島 祥子 高野 倫一 森 広一郎 鈴木 俊哉 石原 学 高木 優也 小森 謙次
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
pp.17-00065, (Released:2018-05-15)
参考文献数
22
被引用文献数
1

友釣りおよび投網を用いて879個体のアユを捕獲しEdwardsiella ictaluriのPCR保菌検査を行った。週の平均水温が高いほどE. ictaluriの陽性率が高く,最も陽性率の高かった7/31-8/6には,週の平均水温が25℃以上を記録した。同期間中,投網で捕獲されたアユの陽性率は20.4%であったが,友釣り個体では陽性個体は確認されなかった。日中の平均水温が高いほど友釣りのCPUEが低かった。E. ictaluri感染は友釣りでの漁獲不振を招く可能性があることが示唆された。
著者
松山 知正 南 隆之 福田 穣 佐野 菜採 坂井 貴光 高野 倫一 中易 千早
出版者
日本魚病学会
雑誌
魚病研究 (ISSN:0388788X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.32-35, 2016
被引用文献数
5

マダイイリドウイルス(RSIV)病の感染防御における血清抗体の関与を検討するために,マダイ,ブリ,ヒラマサ,カンパチおよびイシダイについて受動免疫試験を行った。感染を耐過した個体群の血清を予め腹腔内に接種した試験区では,イシダイを除く全ての魚種で未感作な個体群の血清を接種した試験区と比較して有意に死亡率が低下した。ブリでは耐過魚血清から精製した抗体を接種した試験区でも有意に死亡率が低下した。ワクチンを投与した個体群の血清を接種した試験区では,ヒラマサとイシダイを除いて,有意に死亡率が低下あるいは生存時間が延長した。マダイとブリ類では, RSIV病に対する感染防御に血清抗体が関与する。