著者
長谷川 功 北西 滋 宮本 幸太 玉手 剛 野村 幸司 高木 優也
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
pp.19-00028, (Released:2019-12-10)
参考文献数
77
被引用文献数
6

サクラマスとヤマメは,降海するか河川に留まるかというように生活史は異なるが,同種Oncorhynchus masou masouである。ただし,それぞれが利用される水域や目的はサクラマスは主に沿岸漁業,ヤマメは内水面の遊漁と異なる。また,現在の資源管理体制は両者の生物学的な共通・相違点は十分に考慮していない。そのため,一方の放流種苗が他方と交雑し,生活史の変化すなわちサクラマスとヤマメの資源組成が変化し得る等という懸念もある。本総説では,サクラマスとヤマメに関する先行研究から両者の性質を整理し,野生魚主体の包括的な資源管理を提言する。
著者
高木 優也 綱川 孝俊
出版者
[栃木県水産試験場]
雑誌
栃木県水産試験場研究報告 (ISSN:13408585)
巻号頁・発行日
no.59, pp.40-41, 2016-02

県北部の渓流漁場をモデルとして,アンケートにより釣獲と釣り人の実態について調査しました。その結果,年間で延べ11,099人の釣り人が,88,001尾のヤマメ・イワナ・ニジマスを釣獲し,42,645尾を持ち帰ったと推定されました。県外からの釣り人が多く(日券者の72%,年券者の52%),ルアー・フライなどのエサ釣り以外の釣り方の釣り人が多い(日券者で47%,年券者で49%)という特徴が見られました。また,40歳未満の釣り人が少なく,渓流釣り歴が長い釣り人が多い(85%が渓流釣り歴5年以上)という傾向が見られました。
著者
坪井 潤一 高木 優也
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.82, no.1, pp.12-17, 2016 (Released:2016-02-03)
参考文献数
27
被引用文献数
4 5

全国 13 水系 25 地点において潜水目視によるアユの個体数カウントおよび環境計測を行った。解析の結果,放流量に関係なく,⑴川幅が狭い川ほど,⑵河床に占める長径 25 cm 以上の石の比率が高い川ほど,⑶浮き石の比率が高い川ほど,アユの観察個体数が多いことが明らかになった。また,那珂川において行った調査では,アユの観察個体数と友釣りによる釣獲個体数に正の相関が認められたため,潜水目視で得られたアユの観察個体数は,友釣りの対象となるアユ資源量の指標として有効であることが明らかになった。
著者
高木 優也 綱川 孝俊
出版者
[栃木県水産試験場]
巻号頁・発行日
no.61, pp.44-45, 2018 (Released:2018-07-18)

ニジマスのC and R漁場において,大型ニジマスが釣れることがどれくらい釣り人の満足度を高めるか調査しました。アンケート調査により,釣り人の満足度とその日の釣獲状況の関係について検証したところ,大型ニジマス1尾の釣獲は釣り人の満足度を7%上昇させると推定されました。
著者
坪井 潤一 寺島 祥子 高野 倫一 森 広一郎 鈴木 俊哉 石原 学 高木 優也 小森 謙次
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
pp.17-00065, (Released:2018-05-15)
参考文献数
22
被引用文献数
1

友釣りおよび投網を用いて879個体のアユを捕獲しEdwardsiella ictaluriのPCR保菌検査を行った。週の平均水温が高いほどE. ictaluriの陽性率が高く,最も陽性率の高かった7/31-8/6には,週の平均水温が25℃以上を記録した。同期間中,投網で捕獲されたアユの陽性率は20.4%であったが,友釣り個体では陽性個体は確認されなかった。日中の平均水温が高いほど友釣りのCPUEが低かった。E. ictaluri感染は友釣りでの漁獲不振を招く可能性があることが示唆された。