- 著者
-
高野 幸路
- 出版者
- 日本膵臓学会
- 雑誌
- 膵臓 (ISSN:09130071)
- 巻号頁・発行日
- vol.23, no.6, pp.710-715, 2008 (Released:2009-01-23)
- 参考文献数
- 1
- 被引用文献数
-
1
1
機能性の神経内分泌腫瘍では,腫瘍としての問題(腫瘍増大·浸潤,遠隔転移)に加えてホルモン過剰分泌によるさまざまな症状が出現し,患者を苦しめる.機能性神経内分泌腫瘍には進行が緩徐で経過が長いものが多い.この間,腫瘍よりもホルモン過剰症状が患者を日々煩わし,生活の質を著しく損ね,生命予後も悪化させる.一方,非機能性腫瘍は遠隔転移後にみつかることも多く手術で根治できないことも多い.ホルモンの過剰分泌の抑制,転移性神経内分泌腫瘍の治療にソマトスタチンアナログが有効でありその導入により患者のQOLの改善,stable diseaseの維持が可能になっている.本稿では,ソマトスタチンアナログの特徴,適応,有用性について述べる.