- 著者
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高須 伸二
梅村 隆志
- 出版者
- Japan Society of Nutrition and Food Science
- 雑誌
- 日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
- 巻号頁・発行日
- vol.71, no.3, pp.117-120, 2018 (Released:2018-06-15)
- 参考文献数
- 6
添加物の指定は厚生労働省における規格基準の検討と食品安全委員会における食品健康影響評価 (リスク評価) により判断されている。しかし, 食品の栄養強化目的で使用される添加物, いわゆる栄養成分関連添加物は生体に必須な栄養成分故の特性を考慮した評価が必要であった。近年, 食品安全委員会では栄養成分関連添加物のリスク評価上で特に考慮すべき点を議論・整理し, 栄養成分関連添加物のリスク評価のための新たな指針を策定した。その中では, ヒトの知見に重点を置くことが基本原則とされ, ヒト有害影響評価手法や最大摂取量を用いたリスク評価手法などが提唱されている。本稿では, 栄養成分関連添加物のリスク評価の特記すべき課題点とその評価法に焦点を当て, 栄養成分関連添加物に関する食品健康影響評価を概説する。