著者
塚本 満朗 髙木 朗義
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
日本都市計画学会中部支部研究発表会論文集 (ISSN:24357316)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.63-64, 2022 (Released:2022-10-03)
参考文献数
3

近年の豪雨災害時における人的被害の状況に対して災害の危険性認知が十分でないことが指摘されている.このような現状の改善に向け様々な視点や方法により分析をする必要がある.本研究では,先に塚本・髙木が統計分析に代わる手法として構築した6,7種類の避難場所を予測する住民避難選択行動モデルを従来の住民避難行動分析に倣って改変し,避難と非避難の2分類を予測するモデルを用いた.そのうえで,平成30年から令和3年に発生した豪雨災害時の避難行動に対するアンケート調査データを対象に,XAIという技術を用いて住民避難行動において避難の決定に影響をもたらす要因を抽出した.結果から,災害による被害を身近に経験していることや避難の経験があること,災害の危険性に対する意識が既に高いことが避難行動に影響を与えている一般的な要因の中でも影響が強いこと,本研究の結果と同じデータを用いた統計分析の結果が概ね一致することが明らかとなった.
著者
杉本 達哉 高田 観月 高山 雄貴 髙木 朗義
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.4, pp.22-00115, 2023 (Released:2023-04-20)
参考文献数
34

近年,空間経済学に基づく理論の計量分析への応用が進められている.しかし,その分析枠組は,我が国の長期的な人口分布変化の傾向1)(e.g., 大都市の人口増加)とは真逆の“地域間輸送改善は必ず地方都市の人口を増加(大都市の人口を減少)させる”という結果しか出力しない2).これは,輸送改善の影響の適切な予測が不可能であることを意味する重要な課題である.本研究は,企業間の価格競争を考慮できる独占的競争理論3)を応用することで,この課題を解決する計量分析手法を開発する.そして,日本を対象とした計量分析により,本手法が“地域間輸送改善が大都市の人口を増加させる”という結果を出力できることを示す.
著者
中島 徳至 髙木 朗義
出版者
一般社団法人 グローバルビジネス学会
雑誌
グローバルビジネスジャーナル (ISSN:24340111)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.1-9, 2021 (Released:2021-07-29)
参考文献数
17

SDGsを始め,世界に数多くある社会課題の中で貧困問題解消の重要性が高まりを見せる中,その手段として低所得者層を対象としFinancial Inclusion(金融包摂)を実現する金融が注目を集めている.しかしながら従来型のマイクロファイナンスの限界も見え始めており,新興国における社会経済の発展に向けたブレークスルーを生み出すためには更なる枠組みの金融のあり方が求められている. 本稿では,従来型のマイクロファイナンスの課題を解決し,低所得者層であっても中間所得層へのステップアップを可能にするために開発したFinTechを活用した次世代型金融サービスの仕組みとビジネスモデルについて述べるとともに,新たに生み出される社会について言及する.