著者
岩津 玲磨 鶴 秀生
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.57, pp.205, 2008

屋内音響解析に用いられる時間領域音響計算法の改良を目的として、シンプレティック積分法と最適化コンパクト差分法を1次元、2次元ベンチマーク問題に適用、既存法、他の方法と比較した結果を報告する。 シンプレティック積分法はルース、吉田、サンセルナによる公式を使用してガウシアンの移流問題を計算した。ベンチマークの結果によると、屋内音響計算が対象とする分解能領域では3段階3次ルース法が最も精度/計算コストの面で良好であると思われた。 コンパクト差分法は通常良く用いられる6次精度のものよりも係数を調整した最適化公式の方が若干良い成績を示した。境界公式はその性質から大幅な改良は見込めないが、係数調整の効果について報告する。 以上の現段階で最適であった方法の組み合わせによって2次元の波面反射、散乱などの問題を計算した結果と時間領域屋内音響計算の計算規模と精度などについて検討する。
著者
鶴 秀生
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.67, no.7, pp.296-301, 2011-07-01 (Released:2017-06-02)
参考文献数
7

数値解析手法の一つである差分法は,楽器が発生する音の解析に用いられようになってきた。今回,木琴の振動の時間的挙動を記述するために,1次元モデルであるTimoshenko梁理論や2次元モデルであるMindlin平板理論を,場所によって厚みが変化する形状に適用できるように拡張したものを用いて物理モデルを考えた。板や梁の振動を時間領域で数値計算を行う場合に用いる時間積分の安定性を確保するために,Implicitな積分法の適用を行った。1次元モデルと2次元モデルを用いた解析結果の比較を行い,両者に良好な一致が見られた。数値解析の結果,現実に近い音を再現する場合は,粘弾性や流体力学的な減衰項が大きく影響することが分かった。また,実測値に近い固有周波数特性を得るには,素材の異方性を考慮することが重要なことも分かった。
著者
緒方 洋介 河原 一彦 澤田 泰輔 鶴 秀生
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.455, pp.33-38, 2004-11-19
被引用文献数
4

平板をエキサイタで点駆動し板面上に曲げ共振を励起する,分布振動モード形スピーカ(Distributed Mode Loudspeaker: DML)の放射音場解析を行った.近距離音場ホログラフィーを用いて板面の振動速度分布を求め,レイリー積分を用いてスピーカ遠方の音圧分布のシミュレーションを行った.その結果,DMLに特徴的な音圧指向特性上の複数のビーム形成が確認できた.