著者
鶴池 政明 上 勝也
出版者
大阪体育大学
雑誌
大阪体育大学紀要 (ISSN:02891190)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.149-157, 2001-07-01

The structure of the human tendon and ligament is dense organized connective tissue, which includes two basic elements: fibroblast, a fixed cell of connective tissue, and extracellular matrices. The tendon, for instance, has been suggested to consist of 20% collagen, 78% water, and 2% glycosaminoglycans. The fibroblast synthesizes three polypeptide chains, which develop into a triple helix, called a procollagen molecule inside the cell. The procollagen molecules enzymatically secreted from intracellular to extracellular form a tropocollagen. The tropocollagen molecule consists of two amino acids: hydroxyproline and hydroxylysin. The hydroxylysin is the essential component of crosslinks. The cross-links form intra- and intermolecule bounding from one collagen filament to another in order to organize the tropocollogen molecules. They also play a critical role in the mechanical tensile strength within collagenous tissue and function as energy absorber. Therefore, whether the cross-links in collagen fibers are reorganized is an important factor to understand the healing process in the tendon or ligament damaged. The healing process first shows vascular, chemical and cellular reaction to injury. This reaction facilitates the fibroblast to synthesize fibrous protein and collagen. Developing the extracellular matrix, tissue regeneration or scar formation takes place in time. Since the tendon and ligament have relatively poor blood supply, their healing process is slow. Nevertheless, it can be the same as general tissue trauma, which is divided into three phases: 1) inflammatory, 2) proliferative, and 3) remodeling. The purpose of this paper is to review each phase of the healing process.
著者
鶴池 政明 矢部 京之助 鶴池 政明 福嶋 利浩 三木 由美子
出版者
大阪体育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究の結果から、重度障害者である頸髄損傷者の活動性能力(車いす移動能力)は、トレーニングにより腰髄損傷者や下肢切断者と同等のレベルまで達す可能性が考えられた。また、健康維持能力(自律神経機能)は、脊髄損傷からの受傷期間が長くなるに従い低下する傾向が認められ、より一層、建康維持に留意する必要があることが示唆された。さらに、電気刺激誘発による伸張反射から上肢の運動ニューロンの興奮性を評価する研究方法を構築し、今後、脊髄損傷者に応用できる可能性を見出した
著者
矢部 京之助 鶴池 政明
出版者
大阪体育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

本研究は、日常的にスポーツ活動を行っている脊髄損傷者(15名)の上肢と下肢の筋系および末梢循環系の機能と構造について調査した。被験者の中、7名に対して8週間(5種目、10RM・3セット、週3日)の上肢筋力トレーニングを実施させ、トレーニング前後の変化を測定した。結果は以下のようにまとめられる。1.スポーツ活動を行っている脊髄損傷者の上肢・下肢の安静時血流量は、健常者とほぼ同じ値であった。麻痺部の下肢が健常者と同等であった理由は、日常のスポーツ活動の効果と推察された。2.血管拡張能力は、健常者に比べ、上肢は優れていたが、下肢は劣り、拡張時間も延長する傾向が見られた。これは、脊髄損傷による自律神経機能の欠如が関連していることと示唆された。3.8週間の上肢筋力トレーニングは、上肢と下肢の筋系および末梢循環系の機能と構造に大きな変化を及ぼさなかった。これは、被験者の循環系機能が日常のスポーツ活動ですでに十分向上していたためと推察された。4.4週間の筋力トレーニング後、血圧の上昇が見られた。4週間でトレーニングを中止した被験者は、その後4週間でトレーニング実施前の血圧値に戻った。8週間トレーニングを継続した被験者は、さらに血圧が上昇する傾向にあった。しかし、全被験者のトレーニング後の血圧値は正常範囲内であった。以上の結果より、脊髄損傷者の日常的なスポーツ活動は、上肢の血管拡張能力を高め、下肢の安静時血流量を維持することが明らかになった。また、8週間の上肢筋力トレーニングは、上肢・下肢の筋系および末梢循環系の機能と構造に効果を及ぼすには至らなかった。これは、今回の被験者が現在継続しているスポーツ活動で上肢と下肢の筋系および末梢循環系の機能と構造が十分に発達していたためではないかと推察された。さらに脊髄損傷者が筋力トレーニングを行う際には血圧の管理が必要であることが示唆された。