- 著者
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鶴田 清司
- 出版者
- 日本文学協会
- 雑誌
- 日本文学 (ISSN:03869903)
- 巻号頁・発行日
- vol.44, no.8, pp.43-51, 1995-08-10 (Released:2017-08-01)
今の生徒たちが陥っている問題状況を認識し批評するためには、現代社会や学校制度の歪みや病理をテーマとしつつ、自らが切実な文芸体験(同化・異化)を通して読み深められるような作品を教材化すべきである。作品自体の持つ批評性が、読者の内なる批評力(社会批評・自己批評)を喚起するという仕組みである。こうした観点から、子どもの閉塞した状況を象徴的に描いた「子供のいる駅」を取り上げて教材研究を試みる。